デジタルで建設をDXする

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デジタルで建設をDXする・2/樋口一希/鉄筋BIMモデルを自動加工機へデータ連携  [2021年1月21日]

BIMを活用したデータ作成・加工・組み立て・施工までのワークフロー

 スターツCAMは、鉄筋工事分野において従来のように設計図面を使わずにBIMデータから加工データを作成してダイレクトに加工機に連携する技術を実現した。

 □BIM-FM PLATFORMの理念であるBIMデータを中心にした企業間の新しい体制構築□

 スターツCAMは「建物はすべてデータになる」という基本的な考えの下、BIM(Building Information Modeling)を用いて建物の構成要素をデータ化し、加工、高度に活用する「BIM-FM PLATFORM」を構築、設計・施工・維持管理までを一気通貫でマネジメントできる各種ソリューションの開発を行っている。
 今回の取り組みはBIM-FM PLATFORMの理念であるBIMデータを中心にした企業間の新しい体制構築といえ、BIM-EC(電子商取引)につながる新しい複数企業間連携の一例となった。

 □鉄筋BIMモデルを自動加工機へデータ連携して鉄筋部材の加工を合理化しロス削減を実現□

 鉄筋工事では、これまで2次元図面を基に積算・加工連携などを人力で行っており、ワークフローが合理化されているとはいえなかった。BIM-FM PLATFORMでは、従来のワークフローの問題点を解決するために設計段階から鉄筋加工BIMモデルを情報共有し、伝達の軸として一貫したデータ連携を実現している。
 従来型の具体的な問題点としては、建設会社、鉄筋専門業者、鉄筋工職長がそれぞれに積算するため差異が発生するなど積算作業の重複が挙げられる。合わせて、鉄筋職長が1本ずつ確認しながら作成するため鉄筋加工リストの作成手間が発生し、加工機への入力ミスも発生するなど、加工リストに沿って入力する際に起きるヒューマンエラーが課題となっていた。

 □現状の課題を解決するため3社共同でBIMデータを連携させる実証実験を2020年1月に開始□

 建設を担うスターツCAM、鋼材・流通の岡谷鋼機、鉄筋専門業者のディビーエスの3社は、新築工事2現場で構造計算データをBIM鉄筋モデルに変換し、鉄筋加工リストの作成までをスターツCAM主導で実施し、次のような成果を得ている。
 BIMから鉄筋加工リストを自動作成することによって鉄筋職長の作成労務をなくし、鉄筋自動加工機械へのダイレクト連携で入力労務やヒューマンエラーをゼロにするなど加工労務の大幅な削減を実現している。
 3社合同会議でデータ作成・加工・組み立てまでを連携させ、BIM~加工~施工の課題解決のスピードアップを可能にしている。
 材料加工ロスについては鉄筋総重量の2%削減+材料削減に伴う労務・運搬費の低減も可能にするなど、材料ロスとコスト削減を実現している。

 □新築工事での導入でBIMモデルデータ改善とワークフロー最適化を推進し建築DXを加速□

 3社の役割分担については、スターツCAMが構造設計・鉄筋モデル入力・鉄筋BIM支援・積算・工務購買・作業所長・品質検査を行う。岡谷鋼機は鋼材手配、ディビーエスは品質労務管理・積算鋼材手配・鉄筋加工・工場長・機械データ入力・鉄筋組み立て職長を担当している。
 今後は今回の実証実験ノウハウを活用し、今年1月から随時、新築工事での導入を開始、さらなるBIMモデルデータ改善とワークフロー最適化を推進し、建築DXを加速させることで使用鉄筋材料削減による環境負荷低減や労務不足問題の解消に向け開発を進めていく。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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