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東京メトロ株の売却議論/東京都・小池百合子知事、併せて地下鉄新線事業化の検討を  [2021年1月22日4面]

 交通政策審議会(交政審、国土交通相の諮問機関)で国と東京都が保有する東京メトロ株式の売却の在り方について議論が始まることを受け、小池百合子都知事が構想段階の地下鉄新線プロジェクトの事業化に向けた課題解決を併せて検討するよう赤羽一嘉国交相に緊急要請した。構想中の地下鉄新線には都が「東京メトロによる整備・運行が合理的」と主張する路線も含まれる。そうした観点を抜きに株式売却の議論が進むことを懸念し、先手を打った形だ。
 国土交通省は20日、交政審陸上交通分科会鉄道部会に「東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等に関する小委員会」を設置し、22日に初会合を開くと発表。小池知事から赤羽国交相への要請は同日夕方にテレビ会議で行われた=写真。
 国と都は東京メトロの全株式を保有している。同社設立時に制定された「東京地下鉄株式会社法」では、民営化により経営効率化と利用者サービス向上を図るため、国と都が「できる限り速やかに」株式を売却するよう定めている。
 加えて国は東日本大震災の復興事業に関する「復興財源確保法」で、国が保有する株式の売却益を復興債の償還に充てると規定。昨年6月の法改正で充当期限が2027年度末に設定されたことから、前もって売却の在り方を小委員会で検討することにした。
 小委員会は「東京メトロが果たすべき役割」を踏まえた売却の在り方を検討することが目的となる。その前段階として東京圏の地下鉄ネットワークについて今日的視点から検証し、今後の在り方を議論する。
 テレビ会議で小池知事は東京メトロの「首都中枢エリアを担う公共的役割」を強調し、そうした考え方を「十分勘案していただきたい」と訴えた。地下鉄ネットワークの充実に向け、交政審が16年にまとめた答申に位置付けられた▽地下鉄8号線(東京メトロ有楽町線)の豊洲~住吉間の延伸▽都心部・臨海地域地下鉄構想▽都心部・品川地下鉄構想-の3路線の課題解決に向けた検討も要請した。
 これに対し赤羽国交相は東京圏の鉄道網の中核を担うという「重い役割を踏まえた上で十分な検討が必要だ」との認識を示した。一方、国が都と連携し株式を売却する必要があると前置きした上で「都としても交政審の結論を踏まえ必要な対応を取っていただきたいと、こちらからも要望させていただく」とくぎを刺した。小池知事は「しっかり検討していく」と応じた。
 小委員会は、委員長を務める屋井鉄雄東京工業大学副学長をはじめ学識経験者を中心とした委員6人で構成。都の交通政策を担当する都市整備局もオブザーバーとして参加する。

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