デジタルで建設をDXする

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デジタルで建設をDXする・3/樋口一希/鹿島がデジタルツイン基盤を構築・運用  [2021年1月28日]

鹿島ミラードコンストラクションの位置付け

 鹿島は、落合陽一氏がCEOを務めるピクシーダストテクノロジーズ(PXDT、東京都千代田区)と共同で、「鹿島スマート生産」(TM=商標)において活用するデジタルツイン基盤「鹿島ミラードコンストラクション(KMC=Kajima Mirrored Construction)」(TM)を構築、合わせてKMCを用いて施工の進捗(しんちょく)状況を部材単位で数値化・可視化するプログラムを開発し、運用を開始した。

 □現場を映し出すデジタルツイン・データとして施工・遠隔管理と自動搬送ロボットに活用□

 KMCは、着工前に作成するBIMと施工中の建設現場に設置したセンサー・デバイスから取得する空間データを一元管理するクラウド上のデータベースだ。KMCを東京都内のプロジェクトに導入し、レーザースキャナーやToFセンサー(※)、Webカメラによる空間データの継続取得を開始している。
 取得した空間データには撮影時刻(タイムスタンプ)が付与され、日々、変化する建設現場を映し出すデジタルツイン・データとして施工管理、遠隔管理、自動搬送ロボットに活用していく。
 ※ToF(Time of Flight)=センサーからパルス投光されたレーザーがセンサー内の受光素子に戻ってくるまでの時間を計測し、その時間を距離に換算する測定センサー。

 □先進的なセンシング・3次元データ処理技術とBIM技術を融合させてKMCの構築を実現□

 鹿島スマート生産では、DX戦略として「全てのプロセスをデジタルに」をコアコンセプトの一つに位置付け、BIMを基軸として建設生産プロセスのデジタル化を進めている。
 2018年からはそれらコアコンセプトの下、建設現場におけるデジタルツインを実現するためのデータ基盤の開発に着手し、PXDTが有する先進的なセンシング・3次元データ処理技術と鹿島が培ってきたBIM技術を融合させ、KMCの構築を実現している。
 KMCの構築によって、これまで正確な記録に困難が伴った建築現場の施工プロセスをデジタルデータで蓄積することが可能となった。今後はKMCに蓄積したBIMや空間データを以前から開発してきた安全、環境、品質、工程、コストに関わる現場ITツールや施工ロボットと連携することによって現場運営のさらなる効率化を進めていく。
 建物ライフサイクル全体へとデジタル化を広げることで建物の維持管理の高度化につなげるとともに、さらなる新サービスを創出することでDXを将来にわたって推進していく。

 □KMCの特長=2次データを生成+3次元ビューワで閲覧+施工・遠隔管理の大幅な効率化□

 蓄積した1次データを組み合わせてさまざまな2次データを生成でき、これらのデータを用いることで施工中の建物を可視化し、工事進捗を多面的に把握することが可能だ。一つの例としては、BIMとレーザースキャナーで取得した点群データを重ね合わせて比較し、施工が完了した部位を色分けした画像(出来形ビュー)を生成、蓄積することができる。部材ごとの施工進捗率(数値データ)を算出して蓄積することも可能だ。
 KMCで生成した出来形ビューは、独自に開発した専用の3次元ビューワーで閲覧が可能で、カメラ画像はWebブラウザーから閲覧することもできる。現場に設置したカメラからKMCにアップロードされた映像データは、リアルタイムに配信されるだけでなく、画像解析技術により変化のあった箇所を色分け表示できる。
 空間データには蓄積する際に撮影時刻(タイムスタンプ)を付与する。これによって時々刻々と稼働する建設現場をデジタルツイン・データとして捉えて利活用することで、遠隔による施工管理の大幅な効率化が実現する。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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