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技能実習生-特定技能移行が増加/雇用主「即戦力」と決断/コロナの出入国制限受け  [2021年1月28日1面]

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による出入国制限を踏まえ、中堅・中小建設業で技能実習を特定技能に移行する動きが出てきた。帰国できない実習生を即戦力として特定技能に移行。その際、日本人と同等の待遇にする必要があるが、雇用主は費用がかかっても人手を確保したいと移行を決断しているようだ。ある関係者は「今後こうしたケースが増えるのではないか」と見る。
 建設分野への外国人の受け入れは、技能実習法に基づく「技能実習制度」、20年度までの時限措置の「外国人建設就労者受け入れ事業」(特定活動)、出入国管理法に基づく「新在留資格」(特定技能)の三つの仕組みがある。技能実習などを修了すると、試験免除で特定技能に移行できる。
 特定技能を受け入れるには、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録や月給制の採用などが条件となっている。国土交通省は連続性を担保するため、技能実習などの受け入れ基準を強化した上乗せ告示を20年1月1日に施行したが、それ以前に入国した外国人が特定技能に移行する場合は処遇の改善が必要となる。
 受け入れ企業は建設技能人材機構(JAC、才賀清二郎理事長)正会員の団体会員またはJAC賛助会員も条件の一つ。JAC正会員の全国中小建設業協会(全中建、土志田領司会長)は組織増強を目的に賛助会員制度を20年に導入。同年6月末時点で約30社だった賛助会員が、現在約200社まで急増した。全中建幹部は「特定技能を受け入れる目的で入会を希望する企業が増えた」と分析している。
 受け入れ企業は外国人の入国に先立ち、計画を作成し国交省の審査を受ける。ベトナム人実習生を受け入れている、ある企業は全中建の賛助会員となった。担当者は「コロナで帰れないのでもう少し仕事をさせてほしいと実習生からお願いされた。費用はかかるが即戦力になる」とし、国交省に提出する受け入れ計画を準備しているという。
 コロナ禍でも建設現場は稼働を続けている。技能実習生の入国が停滞し、人手不足につながっているとの指摘もある。国際建設技能振興機構(FITS)の担当者は「コロナ禍で特定技能への切り替え手続きに時間がかかる場合、4カ月間は特定活動の資格で就労できるなどの対策を講じている」とし、特定技能制度の活用を呼び掛けている。

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