論説・コラム

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回転窓/竪琴の音色  [2021年2月4日1面]

 児童向けの文学作品として描かれた「ビルマの竪琴」。第2次世界大戦時のビルマ(現ミャンマー)を舞台に、一人の日本兵が奏でるたて琴の音色が物語を紡ぐ。時に隊員らの士気を高め、戦没者への慰霊や仲間との惜別の気持ちを表す▼1956年と85年に映画化。日本兵と英国兵が「ホーム・スイート・ホーム」を大合唱するシーンは、遠く離れたわが家を恋しく思う気持ちに、敵も味方も関係ないことを伝える▼平穏を迎えたかに見えた現代のミャンマーでは、国軍によるクーデターが発生。半世紀以上続いた国軍主導の体制から2011年に民政移管が完了したが、再び国軍支配が復活する事態となった▼アジア最後のフロンティアとして注目を集め、この10年での経済発展は目覚ましい。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、ミャンマー日本商工会議所に加入している日系企業は昨年末時点で433社。ゼネコンなど建設関連企業も多く、今回の政変が多分野に影響を及ぼすことが懸念される▼政治の安定と経済の発展は表裏一体。戦争という過去の教訓を踏まえ、どうか不毛な争いと無用な混乱を回避してほしい。

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