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清水建設/3Dプリンティング型枠を実現場に初適用/自由曲面形状の柱部材を構築  [2021年2月5日3面]

3Dプリンティングを活用することで、独創的なデザインの構造物を実現できる

現場で構築したねじれ形状のコンクリート柱

 清水建設は、高強度・高靱性の繊維補強モルタル「LACTM(ラクツム)」で積層造形した3Dプリンティング型枠を実現場に初適用した。高さ4・2メートル、直径2・2~2・7メートルの柱4本分の型枠を構築。3Dプリンティング技術によって、従来は難しかった自由曲面形状の柱部材の型枠を短期間で構築した。今後は実大型枠を現場で直接プリントする「オンサイト3Dプリンティング」の実現を目指す。
 3Dプリンティング型枠を初適用したのは、東京都江東区で同社が開発する「(仮称)豊洲六丁目4-2・3街区プロジェクト」現場。交通広場の上部を覆う大規模デッキのコンクリート柱の埋設型枠を3Dプリンティングで造形した。
 型枠の構築に当たっては、ラクツムと技術研究所の専用実験施設「コンクリートDXラボ」に配備した3Dプリンティング装置を使った。円状の基部から頂部に向かって、ねじれながら花びら状に形を変えていく特殊なデザインを採用。コンクリートDXラボで積層造形した後、現場に型枠を搬入してコンクリートを打設し、4本の柱を完成させた。
 現場で構築したコンクリート柱4本のうち、2本は左巻き、残り2本は右巻きのねじれ形状。3Dプリンティング技術を使えば、積層面が左右対称の2種類の型枠であっても、パラメーターの値を変更するだけで簡単に造形できる。
 ラクツムはセメントと砂に、長さ6ミリの合成短繊維などを付加した繊維補強モルタル。型枠のような薄い部材も、形状を保持したまま2メートル以上の高さまで積層できる。ラクツムで積層した造形物は耐久性にも優れる。積層面が目視で確認できないほど一体化するため、劣化の原因となる気泡や空隙(げき)が内部にほとんど生じないという。
 建設部材の3Dプリンティングは、構築物の3DCADデータさえあれば任意の曲面形状を自在に短時間に造形できる。設計の自由度も飛躍的に向上するため、独創的なデザインを取り入れた構造物の実現が可能となる。

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