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新型コロナ/業界団体/総会など開催方法巡り苦慮、流行長期化で対応模索  [2021年2月5日2面]

 新型コロナウイルス感染症の患者が国内で初めて確認されてから1年が過ぎた。各方面に影響が長引く中、建設業団体は稼働を続ける建設現場の円滑な運営を第一に、会員企業の支援へ通常業務を継続している。事務局はリモートワークを増やすなど、コロナ対応に順応しつつある。これから年度末を迎える中、懸念されるのが新年度の準備だ。新年度に入ると定時総会や発注者との意見交換会など主要な事業がめじろ押しとなる。前年に続きリモートにするか臨場に戻すか。各団体は方向性を探っている。
 東京都内に本部を置く各団体の事務局では、アクリルパネルの設置や入室時の手洗い・消毒、マスクの常時着用が当たり前の光景となった。3密回避対策に有効な手段の一つとされるのがテレワークだ。ノートパソコンや携帯無線LANを職員に支給し、テレワーク環境を整えた団体もある。ある団体の幹部は「1年前にはとても考えられなかったが、テレワークが定着してきた」と受け止める。
 オンライン開催により例年に比べセミナーや講演会などのイベント開催が増えたというある団体職員は「全国から参加しやすくなった」ことを一番のメリットに挙げる。交通費や前後の移動時間を含めた時間調整が不要になった。「おかげでさまざまなイベントを高頻度に開催できるようになった」という。
 参加者にはパワーポイントなどで作成した資料を事前にホームページへアップするなどし、印刷しなくても鮮明な状態で見てもらえるようになった。会場のキャパシティーの問題から人数の制限をしなくてよくなったのも大きい。「オンラインだと会場に入りきれない人に参加してもらえる」(業界関係者)と話す。
 1月に再発令された緊急事態宣言は、10都府県を対象に3月7日まで期間が延長されることになった。在宅勤務と時差出勤、時短勤務などを組み合わせ、政府や自治体の出勤者を減らす要請に応じる団体は少なくない。
 1年間の総括と新年度の準備が重なる繁忙期を迎え、ある団体職員からは「委員会活動の取りまとめなどでどうしても出勤しないといけない」との声が上がる一方、在宅勤務を続ける職員もいる。部署によってテレワークの実施率が異なるといった課題が浮上しているようだ。定期的にリモートで会議を行っているある団体の幹部は「リモートだと顔色がうかがえない。意見が出にくくなった」と不満を漏らす。
 定時総会は団体の1年間の事業計画や予算などを決める主要事業の一つ。昨年は書面決議を採用する団体が相次いだ。ある団体の幹部は「総会は交流の機会でもあるが、全国から人を集めて開催するのははばかられる。会場の準備もあり、どうするか決めかねている」と苦しい胸の内を明かす。
 発注者との意見交換は、双方で課題を共有し政策に反映してもらう貴重な機会となる。昨年リモートで意見交換を行った団体の幹部は「今年は現地に出向き、膝をつき合わせて意見を交わしたい」と臨場開催に前向きな姿勢を見せるが、実現できるかどうかは不透明な情勢だ。人数を絞り、対面での実施にこぎ着けた別の団体の幹部は「たとえ臨場で今年も開催できたとしても、懇親会まで再開するのは難しいのでないか」との見通しを示した。

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