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経産省/カーボンプライシング導入へ検討着手/研究会が初会合、21年内に方向性  [2021年2月19日2面]

 経済産業省は二酸化炭素(CO2)の排出量に応じて企業らに費用負担を求める「カーボンプライシング」の導入に向け、本格的な検討に入った。脱炭素化に効果的との見方がある一方、産業界には負担増を懸念する声もある。脱炭素技術の開発動向や企業行動の現実的な側面を踏まえ、多様な経済的、規制的手法の採用を視野に議論していく。夏ごろに検討内容を中間整理し、年内に方向性をまとめる。
 経産省は検討主体となる「世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会」(座長・大橋弘東京大学公共政策大学院院長)の初会合を17日に開いた。学識者以外に経団連や日本商工会議所など経済界の関係者も委員として加わった。議論が先行している環境省も職員がオブザーバー参加した。
 カーボンプライシングにはCO2排出に価格を付ける「炭素税」や、排出量の上限規制を行う「排出量取引」といった手法が存在する。脱炭素技術への投資促進などとバランスをどう取るかが鍵になる。欧米で輸入品を対象に製造過程の排出量に応じ課税する「国境調整措置」の検討が進む中、日本だけが過度な負担とならないよう、公正な国際的競争力の確保も求められる。
 経産省はすべての課題を満たす一つの手法は存在せず、脱炭素化の段階に基づき複数の政策を組み合わせる「ポリシーミックス」により対応する必要性を強調。脱炭素技術の確立状況を踏まえた対応や、中長期視点に立った投資促進策の検討などを課題に挙げた。
 会合では、脱炭素社会への移行に当たって「(負担増に対する)大きなカバーがなければ、社会全体が共倒れになる可能性がある」との指摘があった。インフラ整備や企業の設備投資は将来的な排出構造を左右する。革新的技術に対し「投資価値があることを短期視点から示していく必要がある」との意見も出た。

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