論説・コラム

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回転窓/土木のこころ  [2021年2月26日1面]

 明治~昭和期に活躍した土木技術者を取り上げた田村喜子さんのノンフィクション作品『土木のこころ復刻版-夢追いびとたちの系譜』(現代書林)が発売された。3月初旬から全国の書店に並ぶ▼2002年に出版されたが手に入りにくい状況が続いていた。暮らしや経済を支える基盤づくりや維持を担いつつ、災害発生時には真っ先に駆け付ける。そうした使命を広く知ってもらう着火剤にしたいと寿建設(福島市)の森崎英五朗社長が復刻に奔走した▼漫画家の福本伸行氏が東日本大震災直後に土木関係者向けに書いたイラストを帯に掲載。「ここで見せろっ! 土木の力っ!」というメッセージが目を引く▼田村さんは現場取材で技術者たちの誇りと自負を感じていたという。苦難に直面しながらも豊かな社会を目指して力を注ぐ生きざまから「土木のこころ」が浮かび上がる▼人口減少や気候変動、さらには感染症という大きな困難に直面している今だったら、先人たちは何を志しただろうか。次世代により豊かな暮らしを渡していくための基盤整備はいまだ途上にある。今を生きるわれわれの心も試されているだろう。

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