企業・経営

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

応用地質/自然由来重金属の挙動研究コンソーシアム設立/環境負荷低減へ  [2021年3月4日3面]

盛り土実験設備のイメージ。重金属を含む岩砕盛り土中にさまざまなセンサーを配置し、降雨などで盛り土内に浸透した汚染物質が溶出・吸脱着するメカニズムを把握する

 応用地質は3日、自然由来重金属の挙動などを研究するコンソーシアムを設立したと発表した。搬出から処分までの過程で配慮が求められる自然由来重金属について、挙動を解明することで低コスト・低環境負荷の対策工法確立につなげる。2年間の実証期間を経て2023年ころの技術確立を目指す。コンソーシアムは同社を含む建設関連会社など7団体、個人会員10人で構成する。
 コンソーシアムの名称は「盛土内部の物質挙動及び環境変化とその測定に関する研究に係るコンソーシアム」。会長は大阪大学工学研究科の乾徹地球総合工学専攻教授、副会長は明治大学農学部農芸化学科の加藤雅彦准教授が務める。
 茨城県つくば市にある同社施設の敷地内に実大盛り土実験設備を設置した。盛り土内部の自然由来重金属類の物質挙動と環境変化、測定の研究をオープンラボとして推進する。
 盛り土実験設備には最新のIoT(モノのインターネット)センサーを設置する。盛り土の内部環境の測定、間隙(かんげき)水と浸出水の定期水質を分析し、重金属などの挙動を確認する。適切なモニタリング方法の確立とともに低コスト・低環境負荷型の対策工法の開発・普及を目指す。
 掘削工事などで発生する有害な自然由来重金属を含む岩石や土砂の量は、対策を行う必要のある建設工事の対象が拡大されたことで近年増加傾向にある。これらの土砂の搬送・処理に当たっては、周辺環境に悪影響を及ぼさないよう事業者に配慮が求められている。
 建設事業で発生する土砂は膨大な量になることから、処理にコストがかかることと、処理に当たって重機などを使うことで温室効果ガス(CO2)を排出することが課題だった。盛り土内部の重金属などの溶出や吸脱着といった物質挙動は十分に解明されておらず、挙動を踏まえた対策方法の立案が困難な現状だった。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。