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JR東日本/東北・上越新幹線大規模改修/外部と連携し技術開発・実証を推進  [2021年3月4日1面]

技術開発を進める模擬設備

 JR東日本は3日、約1兆円を投じる東北新幹線(東京~盛岡)と上越新幹線(大宮~新潟)の大規模改修に向けた技術開発を推進すると発表した。福島県内に整備した実物大の模擬設備を活用し、コンクリート橋、トンネル・土工設備、線路、設計・工事情報管理などを対象に、外部とも連携し、生産性の高い技術、材料、機械などの開発を急ぐ。3D点群データは積極的に活用する。改修工事は2031年度から10カ年を予定する。
 1982年の開業から約50年となる計780キロの構造物を大規模改修する。「技術開発は25年くらいまでに終えて、(改修の)計画を立てていく」(深澤祐二社長)考え。外部から提案を受け付けてきた技術や材料、機械の性能を検証。ロボットやICT(情報通信技術)の新技術実装を目指す。「材料はかなりの応募がある」(同)という。
 福島県白河市の総合研修センターに2月完成した▽約80メートルのコンクリート橋▽各30メートルのトンネル・土工設備▽約175メートルの線路(コンクリート橋約70メートル、地上約105メートル)-の実物サイズの模擬設備を技術開発や性能検証に生かす。整備には10億円を投じた。
 コンクリート橋は、調査・作業用の機械や、オープンイノベーション方式による材料の開発に取り組む。防音壁の改修工法も検討する。トンネル・土工は、カーブなど施工条件の異なる区間でも施工性の高い杭打設機械を開発する。オペレーターの訓練も実施する。のり面など足場を組む作業は大幅に効率化したい意向だ。
 線路はスラブと路盤のすき間の新しい調査方法や緩衝材の交換機械を実用化する。3D点群データを大規模構造物の改修工事にも活用する環境を整え、設計・設備調査・施工計画などの工事情報の効率的な管理に役立てる。着工からの10年を「限られた期間」と見て、生産性と安全性の高い技術を用意する。
 深澤社長は「新設に活用している3D点群データを既存設備の改修でも活用し、工事の効率化に役立てる。福島県沖の地震で被害の大きかった電架柱の対策工法も開発する」と意欲を見せた。
 東北、上越両新幹線の大規模改修費用は1兆0406億円を見込む。鋼橋支点部、コンクリート橋の表面・スラブ板・支点部、トンネルの覆工・路盤、のり面を改修。トンネルのコンクリートと地山の空隙の対策、のり面の杭補強、橋脚・橋台の部分的な打ち替えなども行う。
 全国新幹線鉄道整備法に基づき、16年4月~31年3月に3600億円を積み立てる。

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