デジタルで建設をDXする

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

デジタルで建設をDXする・9/樋口一希/BIMのプロフェッショナル認定制度  [2021年3月25日]

アマゾンで入手可能な参考資料。『The BIM Manager(A Practical Guide for BIM Project Management)』(英語版)

 一般社団法人buildingSMART Japan(bSJ)では、BIMの国際的な「プロフェッショナル認定制度」に基づいた認定試験を6月から日本で開始するのに合わせて、オープンBIMに対するトレーニングと認定試験の窓口となるトレーニングプロバイダーを4月から募集すると発表した。

 □bSJが国際的なベンチマークを用いたオープンBIMに基づくトレーニングと認定を開始□

 近年、国内外でBIMの採用が加速しているが、BIM全般に対する基本的な概念、用語やプロセスの定義は不明確であり、一貫性が不十分なところも多く、実際の運用では多くの混乱ももたらしている。加えて実務運用時に最も重要なプロジェクトにおけるBIMデータの管理では専門家の力量に大きな格差があるとも評されている。
 それらの課題を解決するためbSJでは国際的なベンチマークを用いた「プロフェッショナル認定制度」を設け、オープンBIMに基づくトレーニングと認定を開始する。これによってBIMの専門家の基準が明確になり、プロジェクト関係者がBIMに関連する業務を依頼する場合の基準を提供できるものと考えている。

 □受験資格を得るにはbSJから認定を受けたプロバイダーのトレーニング受講が必須となる□

 「プロフェッショナル認定制度」は現在、世界8カ国(オーストリア、中国、ドイツ、イタリア、ノルウェー、ロシア、スペイン、スイス)で実施されており、80プロバイダー、3千人以上の認定者を輩出している。
 受験資格を得るためには、bSJから認定を受けたプロバイダーのトレーニングを受講することが必須となっており、そのためにも認定試験の窓口となるトレーニングプロバイダーの今回の募集の重要性は高い。
 トレーニングプロバイダーに関しては学習成果フレームワーク(LOF)に基づき、BIM知識のトレーニングを実施する教育機関や企業等がトレーニングプロバイダーとして認定されることとなっている。

 □BIMの定義や用語の認識とともに従来プロジェクトと比較した組織利用のメリットなど明示□

 bSIが2018年から実施している「bSI Professional Certification(BIMプロフェッショナル認定)基礎ベーシック編」から概略を紹介する。
 最初にBIMとは何か、なぜ必要なのかを理解し、特定の用語を認識する。BIM自体と推進要因、主要なBIM用語の確認と定義を行い、情報管理の成熟度の段階を把握すると同時に情報モデルを構成するものとは何かを定義する。
 続いて従来のプロジェクト提供と比較した場合のBIMの利点を認識する。具体的にはBIMによるコラボレーションと新しい作業方法が必要な理由とは何かを理解する。さらには不十分な情報管理がプロジェクトに与える影響、不十分な情報を軽減するために策定されたプロセスと標準を確認する。加えて、設計および建設のプロにとってのBIM、施設の所有者と運営者にとってのBIMのメリットを明らかにしている。
 BIMによるプロジェクト情報管理への理解度を深めていく。発注者が要件を明確に定義する必要がある理由、BIM実行計画(BEP)の内容と価値、一貫した情報交換が必要な理由への理解を進める。さらに共通データ環境(CDE)を使用する主な要素と利点を確認し、明確に定義された情報管理の役割がなぜ必要なのかを理解する。受注前に潜在的なサプライ・チェーン・メンバーを評価する必要がある理由に触れているのもユニークだ。
 最後に、組織内のBIM能力の条件と評価方法を理解する。具体的には企業がBIMを採用することによる潜在的なメリット、組織のBIM成熟度を定義する要因、組織の目標に合わせてBIMを採用する必要がある理由について理解する。合わせてBIM導入のメリットと課題、BIMを採用することでデータセキュリティーにどのような影響があるかを把握する。
   〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。