論説・コラム

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回転窓/東京湾をX線撮影  [2021年3月29日1面]

 先月13日に起きた福島沖を震源とする地震に続き、今月20日には宮城沖で地震が発生した。二つの地震とも東日本大震災の余震とされる▼最大震度6強を観測した地域があったものの、インフラや建造物の被害は限定的で多くの人命が守れた。東日本大震災以降進めてきた耐震化や国土強靱化の対策が大きな効果を発揮したと言えよう▼東京大学や九州大学、関西大学などの研究グループが東京湾アクアラインの海底トンネルにセンサーを設置し、潮位の変化をリアルタイムに測定することに成功した。貫通力の強い素粒子を用いて海のエックス線写真を撮影する技術で時間の変化をとらえると、海底岩盤内部の動き、地震による津波や高潮を東京に到達する前にイメージできる▼センサーを増設する計画も進行しているそうだ。東京湾のより広い領域をカバーし、津波や高潮の動きを早期に検知する。災害対応だけでなく東京湾の海底に眠る天然ガスの探査など、資源開発への活用も視野に入れる▼防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策が来年度から動きだす。最先端技術を取り込んだ新発想の対策にも期待したい。

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