論説・コラム

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回転窓/指名停止措置  [2021年3月31日1面]

 二十数年前のある役人の話。「自分が家を建てる時、変なうわさがある建設会社に見積もりは依頼しないでしょう。指名停止はそこに通じるところがある」▼法律違反や瑕疵(かし)などが発覚した会社に公共工事の発注者は一定期間入札参加を制限する指名停止を行う。期間は措置要領に基づいて決めるが、それが過剰に長い場合もある▼仮に停止期間が不当に長いと建設会社が思っても、請負業の体質としてなかなか発注者に文句は言えない。結局泣き寝入りというケースも多い▼12日に前橋地裁が出した判決は画期的だった。工事引き渡し後に擁壁が倒壊したことを巡り自治体が一方的に施工業者の瑕疵を発表、1年間の指名停止措置を講じた。業者側は名誉毀損(きそん)に当たるとして損害賠償を求め、民事訴訟を起こした。判決で裁判所は業者側の主張を一部認め、指名停止期間のうち6カ月を超える部分に裁量権の逸脱があるとした▼建設業界には建設業法で不正行為などを行った会社に営業停止などの処分規定がある。その屋上屋となる指名停止のペナルティーは時代に合っているのか。今後の議論に期待したい。

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