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震災から10年/鹿島/災害廃棄物を資源へ、港湾という出口で迅速化  [2021年3月31日3面]

災害廃棄物処理での粗選別の様子(提供・鹿島)

 鹿島は、東日本大震災の被災地で受注した災害廃棄物処理業務で、リサイクル資材としての活用拡大に取り組んだ。宮城県石巻市の「石巻ブロック」では、膨大な量の処理が求められる状況下で、港湾埋め立て基準を満足する土木資材としてのリサイクル化を実現。大量の活用先という“出口”を設けたことで迅速な業務完了につなげた。港湾埋め立てに用いた物と同じサンプルを保管して、長期的に試験も続けており、今後の災害対応などに生かしていく方針だ。
 石巻ブロックは宮城県の発注で、県内最大規模となる約300万トンの災害廃棄物を処理した。焼却灰の造粒固化技術や、不燃残さを徹底的に分別する「精選別技術」を導入。津波堆積物を洗浄したり改質剤を混合したりして土木資材へのリサイクル化を推進して、最終的には85%のリサイクル率を達成した。
 洗浄したれきと汚泥を不溶化処理した汚泥改良材は、石巻港の埋め立て資材に活用した。重金属などの溶出に対する長期安定性の試験方法などを議論してもらう有識者委員会も設置して検証。スムーズな産学官の連携が奏功し、強度などの物理特性と有害物の溶出など環境面の両方で平時の基準をクリアする品質を確保した。
 今回は港湾だったが、被災地の条件によっては、河川や陸上などがさまざまなケースが想定され、それぞれに求められる基準が異なる。同社環境本部の担当者は「焼却灰でも処理をすればリサイクルができる。対象ごとにどのような処理を施せば埋め立て可能となるかを事前に検討しておくことが望ましい」と話している。

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