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新社長/戸田建設・大谷清介氏/部分最適から全体最適へ  [2021年4月1日1面]

大谷清介氏

 4月1日付で新体制に移行する。会社の持続的な成長と経営基盤の強化が当面の課題。DX(デジタルトランスフォーメーション)などを進め、働き方改革と生産性向上のアクセルをさらに踏み込む。7月に創業140周年の節目を迎える。次の10年に向け「総合未来建設業」に変貌を遂げ飛躍を目指す。
 --就任の抱負を。
 「建設業を取り巻く環境が厳しくなる中、変えるべき所は変える必要がある。重要項目の一つが組織改革だ。支店ごとの部分最適にこだわらず、管轄地域のマーケットに応じ経営資源を柔軟に配分する全体最適を目指す。建築、土木、戦略の収益3部門も同様だ。横ぐしを刺し全体最適化を図る機能を持つ組織へ2021年度内に移行する。情熱を持って仕事ができる『働きがい改革』にも取り組む」
 --注力する分野は。
 「建築は得意分野の医療・福祉関連をさらに伸ばす。施工効率を高めるため成田PC工場の建て替えに着手した。PC製造の優勢性を生かし設計・施工体制を強化する。土木は国が進める防災・減災対策やリニューアル工事など一定量の投資が見込める。積極的にチャレンジし実績を伸ばしていく。海外事業も強化する。昨年に現地の大手建設会社と資本提携を結んだインドネシアで事業拡大を狙う」
 「戦略事業の一つが再生可能エネルギー分野だ。長崎県五島市では国内初の浮体式洋上風力発電を実用化している。浮体式のトップランナーとして風車の大型化などに対応できる技術開発を継続する」
 --受注環境をどう見る。
 「物流関係など一部の業界を除き、コロナ禍で民間投資の停滞が見られる。特に建築は受注環境が厳しい。協力会社組織の利友会とパートナーシップを一層強化する必要がある。会談の場を設け競争力を高める生産性向上策などを議論している」
 --働き方改革、生産性向上の重要性が高まっている。
 「昨年7月にDX推進室を設置した。業務やプロセスの変革と新たなビジネスモデルの構築が狙いだ。最も重要なのが人材育成。若手社員30人を選抜し、昨年10月から東洋大学情報連携学部でリカレント(学び直し)教育を受講してもらっている。デジタルスキルを身に付けた社員を各部署に配置しDXを加速する」
 「建築本部では設計・施工案件でBIMの100%導入を目指す。将来的には維持管理を含めたBIMとIoT(モノのインターネット)などの先進技術を活用しデジタルツインを構築したい。まずは建設中の新本社ビルで実現する。土木ではCIMの推進やトンネル工事の無人化施工などに注力する」。
 (4月1日就任)
 (おおたに・せいすけ)1982年北海道大工学部卒、戸田建設入社。2013年東京支店支店次長、16年千葉支店長、17年執行役員、18年関東支店長、20年取締役兼常務執行役員管理本部執務。北海道出身、62歳。趣味はクラシック音楽と歌舞伎の鑑賞。常に意識している言葉は「至誠」。「誠実さはすべての社会人に求められる資質」と話す。

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