デジタルで建設をDXする

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デジタルで建設をDXする・10/樋口一希/モジュラーホスピタルルームを発売  [2021年4月1日]

モジュラーホスピタルルームは設備配管も内蔵 (青:トイレの設備配管、緑:電気配管)

 野原ホールディングスのVDC(Virtual Design & Construction)カンパニーは、3月から国内医療業界向けに短工期・低価格で個室病室を実現するモジュラーホスピタルルームの設計プランの販売を開始した。設計モデルは世界最大規模のBIMコンテンツプラットフォーム「BIMobject(R) Cloud」で閲覧できる。

 □モジュラーホスピタルルームの提供によって医療施設建設のプロセスに変革を起こす□

 建築におけるモジュールとは、建築材料・家具などの規格化された組み立てユニットを指している。モジュラーホスピタルルームは、個室病床を1個のモジュールとし、内装・配管関係を工場で生産するものだ。
 工場生産は天候など自然環境の影響を受けず、建設現場での事故を減らせるだけでなく、品質が安定しやすく改修も容易に実施できるほか、ソーシャルディスタンスの確保など建設現場での感染症対策にも役立つと評価されている。モジュールを建設現場で組み立てる(積み上げたり並べたりする)建築方法をモジュール建築またはモジュール工法と表し、モジュール工法による病院建築は海外では増加傾向にある。
 野原ホールディングスのVDCカンパニーでは、モジュラーホスピタルルームで医療施設建設のプロセスに変革を起こし、新型コロナウイルス感染症対策のための個室化、生活様式の変化を背景に未来の病院に求められる個室病室の整備に貢献していく。

 □BIMで内装・設備の9割が工場で完成するモジュール化+個室病室パッケージモデルを実現□

 モジュラーホスピタルルームは、建材の仕様・価格情報を併せ持ち、仮想空間でシミュレーションできるBIMを採用、内装・設備等の9割が工場で完成するモジュール化、曲線を基調とした居住空間に近い病室デザインを組み合わせた個室病室パッケージモデルを実現している。
 BIMを採用することによって迅速な合意形成が可能となり、パッケージモデルをベースに複数の仕様を仮想竣工し、関係者全員での共有・確認を実現している。モジュール化によって工期の短縮を可能としただけでなく、建設現場の省人化・省施工が進み、環境配慮も同時に実現している。合わせて、改修時の設備入れ替えにも配慮した設計が可能なため、病室単位の改修が容易となり、医療施設全体の長寿命化に寄与する。

 □モジュラーホスピタルルームで「個を尊重」した未来に求められる個室病室を実現□

 モジュラーホスピタルルームの提供を行った背景には、人々のライフスタイルが変化し、医療空間での患者の「個の尊重」が当たり前になっている現状がある。一方で、それにも関わらず病院建築、特に病室空間は、ここ30年間ほど改善が見られない。それらの現状に鑑み、未来に求められる個室病室をモジュラーホスピタルルームによって実現する方針だ。
 建設費用、個の尊重(プライベート空間の確保)と治療や看護の両立の難しさなどの医療空間で顕在化してきている主な課題に対しては、モジュラーホスピタルルームによる解決提案を行う。BIM×モジュールを採用した個室病床によって短工期、低価格を実現、合わせて感染症対策を施した素材、空調を設置し、IoTやICTを駆使し患者と医療従事者がストレスなく対話できる非接触空間を創出する。
 病棟の全室個室化による設備設置の増加、将来のメンテナンス・入れ替えを考慮していない場合が多いという課題に対しては、改修しやすい全室個室化による医療施設全体のライフサイクルコストの低減を目指す。具体的には、隣接するモジュラーホスピタルルームの上下左右が干渉しない設計、建物全体への影響が少ないモジュール化による個室病床単位での改修などを可能とする。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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