論説・コラム

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回転窓/復興のシンボル  [2021年4月8日1面]

 2016年4月の熊本地震で甚大な被害を受けた熊本城。戦国武将の加藤清正が築城した難攻不落の名城として知られ、震災後は「復興のシンボル」として修復作業が進む▼天守閣の復旧工事が完了し、大型連休前の26日から一般公開が始まる。全面リニューアルでエレベーターなどバリアフリー対応も徹底し、多くの人たちが最上階の展望室に上れるようになる▼地震発生から10日後に被災地を取材で巡った時、熊本城は立ち入り禁止で復旧のめども立たない状態だった。石垣が崩れ、倒壊寸前のところを角石だけで支えていた「飯田丸五階櫓」は今春、解体作業を終え石垣の積み直し作業に着手するという▼熊本市が昨年12月に実施したアンケートによると、「復興が進んでいると感じる」「どちらかというと感じる」と回答した人は9割を超えた。一方、約7割の人が「地震の記憶や教訓を忘れがちになっている」と答え、震災5年を前に風化が懸念される▼熊本城の復旧が被災者らの心の支えになってきた面もあるだろう。震災を風化させず、防災・減災の推進に向けて「復興のシンボル」の果たす役割はさらに大きくなる。

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