デジタルで建設をDXする

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デジタルで建設をDXする・11/樋口一希/AR検査・点検アプリのBIM連携を実現  [2021年4月8日]

Pinspect-BIM連携オプションのイメージ

 エム・ソフト(東京都台東区)は、竹中工務店とエム・ソフトが開発・販売するAR検査・点検アプリ「Pinspect(ピンスペクト)」のBIM連携オプションを共同開発した。

 □施工記録のBIMへの更新をPinspectのARでサポート+施工管理の品質と生産性を向上□

 今回、開発された連携オプションではBIMデータのPinspectへのインポート+エクスポートが可能となり、インポートしたBIMデータをPinspectの空間ピンとして用いることでARによって現場に可視化され、BIMオブジェクトの位置が分かりやすくなる。合わせて、Pinspectで記録した電子黒板入りの写真やコメント、メモ情報をエクスポートし、BIM上に再反映することが可能となる。
 これによって従来まで手間のかかっていた施工記録のBIMへの更新をPinspectのARでサポートすると同時に、施工管理の品質および生産性の向上が実現する。

 □検査・点検箇所を記録・可視化するアプリとして機能+LiDARで認識精度・速度が向上□

 Pinspectは、検査・点検箇所をARで記録、可視化するアプリとして機能し、対象箇所の3次元座標を取得し、デジタル付箋(ピン)としてARで可視化する。写真やメモと合わせて保存することで、現場情報を図面やExcel形式のリポートとして出力することが可能だ。記録したピンはクラウド経由で他のユーザーと共有することができる。
 LiDARが搭載されたiPad/iPhoneを利用することで、より高精度なAR環境認識が実現する。LiDARの効果によって認識精度・速度が大きく向上し、より正確な場所へのピンの設置、再現が可能になる。
 LiDARとは、Light Detection and Rangin(光検出と測距)の略で、発光した光が物体に反射して戻ってくるまでの時間を計算して対象物までの距離を算出する技術だ。建設土木の分野で地形の測量や形状把握に利用されており、近年では車に搭載されて自動運転に使われたりしている。

 □BIM対応建築設備専用3D CADソフト「Rebro」との連携が実現□

 BIMの活用が広がる中で実際の現場では「BIM上のデータを閲覧したい」「現場での情報をBIMに反映させたい」というニーズが高まっている。一方でBIMデータと現場での作業が直接結びついていないため、BIMの現地での確認が容易でなく、現場での作業記録をBIMに反映させるのが後回しとなることから作業に時間がかかってしまうという問題があった。Pinspectの開発によって、BIM対応建築設備専用3D CADソフト「Rebro」(NYKシステムズ製)との連携が実現した。
 インポートしたBIMデータは、Pinspectの電子黒板に自動的に反映され、現場での黒板入力時間を大幅に削減することができる。撮影した電子黒板入りの写真や現場で追記したコメントは、クラウド経由でRebroに戻すことができるので、事務所に戻ってから確認することも可能だ。これまで個別に存在していた現場情報をBIM上に取り入れることで施工確認作業の効率化を実現する。

 □区画貫通処理での撮影写真管理や事務所での管理書類の出力などの作業時間を約70%短縮□

 竹中工務店は建設現場での「区画貫通処理管理」業務を試行することで効果測定を行った。建設現場では従来、対象箇所を一つずつ確認し、それぞれ黒板に必要事項を記入して写真を撮影、事務所に帰ってからは写真台帳や報告書にまとめる必要があった。
 PinspectとBIM(Rebro)を活用することで、区画貫通処理における撮影写真管理や事務所での管理書類の出力などの作業時間の約70%の短縮を実現した。今後、他の建設現場への導入を行い、さらなる機能改善と具体的な生産性向上率を算出し、工事現場での実運用を行う予定だ。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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