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建設経済研/災害復旧工事の入札契約制度で提案/適切な随意契約や備蓄拠点強化  [2021年4月12日1面]

 建設経済研究所(小澤敬市理事長)は災害復旧工事の入札契約制度に関する提案をまとめた。団体・企業への取材やアンケート、入札結果データの分析などを踏まえ現状の課題を整理。1者応札の割合が一般土木工事に比べて多く担い手不足の懸念や、円滑な事業執行に支障を来す恐れがあると考察。落札率も高く、入札の競争性の低下などを指摘し、随意契約の適切な適用など9項目の対策を提案した。
 提案は▽随意契約などの適切な適用▽工事の一時中止措置の適切な適用▽積算基準の見直し、設計変更の適切な実施▽監理技術者複数制の設立▽建設機械の供給に関する官民協働会議の設立▽防災ステーションや側帯の強化▽民地の一時借用の権限付与と災害車両の緊急通行の許可▽再度災害の発生防止を見据えた復旧工事の早期発注と施工▽前払金の適切な実施-の九つ。
 応急復旧工事は危険や苦労が多く、利潤も出にくいため、不調不落を招く結果となっていると分析。応急復旧工事を担当した建設会社との本復旧の随意契約や、受注済み工事への追加契約といった入札契約制度の採用により、応急復旧工事への受注意欲の向上につながるとした。
 大規模災害時に監理技術者の複数現場の配置を認める「監理技術者複数制」を提唱。効率的な業務の実施と職員の健康保持につなげる。必要な建設機械を確実に調達し効率的に配置するため、国や地方自治体、民間企業でつくる「官民協議会」を設立し、広域的なネットワークを作るよう提案。同会議では資材の備蓄計画や優先する啓開道路の選定など、災害時の行動計画の策定が望ましいとした。
 土砂や根固めブロックを備蓄する防災ステーションや側帯には、過去の災害時に使用した資材数量や、堤防の土質、水深、流速に応じて必要となるブロック重量などを踏まえた適切な備蓄が重要。災害が夜間に起きても重機が安全に進入できるよう進入路や照明車なども整備。災害時は昼夜を問わず資機材を搬出することを近隣住民に説明し協力を求める。気候変動による豪雨の発生や同時多発的な決壊などを想定した備蓄量の検討も必要だとした。
 工事用道路の造成に伴い民地を一時的に借用する場合、過去の災害時は地元に密着した建設会社の活躍によって短時間で借り上げを実現してきた。だが近年の所有者不明土地の増加などを踏まえ、一時的に河川管理者、道路管理者が借用できる法制度の必要性を提言。円滑な資機材搬入を支援するため、工事用車両が渋滞に巻き込まれないよう、緊急用車両として取り扱うことも提案した。

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