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東大、清水建設ら/廃コンクリにCO2混ぜ再生/30年実用化へ基礎技術開発  [2021年4月20日3面]

基礎技術を使って製造したCCC。左はセメントペースト、右は珪砂を骨材とした

 東京大学や清水建設、太平洋セメントなど8者は19日、空気中の二酸化炭素(CO2)を混ぜて使用済みコンクリートを再生する「カルシウム・カーボネート・コンクリート(CCC)」の基礎技術を開発したと発表した。既存コンクリートの製造過程で排出するCO2と同程度のCO2が固定化でき、CO2排出削減にも貢献できるという。2030年にも実用化し、50年ころの普及を目指す。
 CCCの開発に携わったのは▽清水建設▽東大▽北海道大学▽東京理科大学▽工学院大学▽宇都宮大学▽太平洋セメント▽増尾リサイクル-の8者。東大大学院工学系研究科の野口貴文教授がプロジェクトマネージャーを務めた。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のムーンショット型研究開発事業「C4S研究開発プロジェクト」として開発した。
 CCCは繰り返しリサイクルできる資源循環型コンクリート。砕いた使用済みコンクリートの粒子間に炭酸カルシウムを強制的に析出して一体化させる。製造に当たって固定化するCO2量は、同じ量のコンクリートが過去に排出したCO2量を上回る。全国どこにでも存在するコンクリートなどに含まれているカルシウム(Ca)、大気中のCO2、水が原材料になるため地産地消で製造できる点が特長だ。
 従来のセメント・コンクリートをCCCに置き換えていくことで、50年ころにコンクリート製造総量の半分がCCCになった場合、年間2000万トンのCO2排出削減と、年間620万トンのCO2固定化が可能になる。
 19日にオンラインで会見した野口教授は「CCCの普及に当たっては流通の問題を解決し、通常のコンクリートと同程度のコストの実現を目指す」と話した。
 コンクリートの原材料であるセメントは生産段階で大量のCO2を排出する。CO2の有効利用に当たっては、高濃度のCO2ガスを有効利用できる技術が存在する。ただコンクリート製造時に排出される空気中の希薄なCO2の利用は困難だった。

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