論説・コラム

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回転窓/新たな生活様式のヒント  [2021年4月26日1面]

 1973年に建築家の黒川紀章氏(1934~2007年)が長野県御代田町に自身の別荘として建てた「カプセルハウスK」。非公開だった建物が5月に一般公開される▼黒川氏の長男、未来夫氏と工学院大学の鈴木敏彦教授が中心となり進めるカプセル建築プロジェクトの一環という。6月には民泊利用も始まる▼70年の大阪万博でカプセルを用いたパビリオンを発表し、72年には東京・銀座でカプセル型の集合住宅「中銀カプセルタワービル」が竣工した。これらカプセル建築は住人のライフスタイルなどに合わせて「カプセルごと交換する」という、画期的なコンセプトで注目された▼時は流れて現在、ライフスタイルは大きく変わろうとしている。テレワークや二拠点居住などは、黒川氏が想定した“ホモ・モーベンス”(移動民)の暮らしが現実味を帯びてきていると言えるのかもしれない。新たな生活様式のヒントがカプセル建築にありそうだ▼日本発の建築運動「メタボリズム(新陳代謝)」を代表する建築作品であり黒川氏の代表作としても知られるカプセル建築。貴重な作品が見学できる機会を逃したくない。

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