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安全衛生教育にVR導入進む/建災防が実態調査、低コスト化が課題  [2021年4月27日1面]

 建設現場の安全衛生教育でVR(仮想現実)の活用が進んでいる。建設業労働災害防止協会(建災防、今井雅則会長)が行った調査によると、回答した29社のうち15社がVR教育を実施していた。大半がヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)を使い、墜落や転落といった災害の疑似体験プログラムを組み込んでいた。VR教育の普及が進む一方で、機材購入やリース費用が高いことが導入の壁となっている実態が浮き彫りとなった。
 調査は2019年度に続き2回目。対象は建設労務安全研究会(労研)の会員で、37社と前年度の12社から大幅に増やした。期間は20年9~10月、29社が回答した。VR教育を実施している企業には、現場または本社や支店などで取り組む事例を5件程度挙げてもらい、58件の事例を収集した。
 VR教育のコンテンツで対象としている工事は▽足場(33件)▽掘削・埋め戻し(22件)-の順で多い。災害の種類は▽墜落・転落(40件)が最多で、▽飛来・落下(31件)が続き、▽崩壊▽はさまれ・巻き込まれが25件で並んだ。前回調査と同じ傾向となった。
 使用技術はVRが44件と突出している。VR教育とBIM/CIMの連携を行っているのは1社だけで、ほとんど連携が進んでいない。教材開発は他社開発が37社と圧倒的。共同開発が4社、自社開発はなかった。映像は3DCGが37件で最も多かった。
 教育対象者は協力会社59件、元請会社50件。実施場所は現場が31件で最も多く、支店10件、自社研究施設4件と続いた。1~30人を対象とした研修が多い。1人当たりの体験時間は1~5分が多かった。
 VR教育のメリットとして、「どこにどんな危険が潜んでいるか分かり、危険感受性の向上につながった」と、災害のリアルな疑似体験を効果に挙げる意見が目立つ。課題には安価で簡易な装置の開発を求める声が相次いだ。「使用する人が限られ、手待ち時間がある」「コンテンツが限定的」といった指摘もあった。

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