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経産省/海底の長距離直流送電導入で実現可能性調査実施へ/21年内に中間報告  [2021年5月7日1面]

 経済産業省は洋上風力発電の大量導入に向け、海底ケーブルを使った長距離直流送電の実現可能性を調査する。一般的な交流送電に加え、洋上風力発電の適地と大需要地を結ぶ直流送電のルートを整備し、送電網を増強する。国内で長距離ケーブルの整備実績がないため、複数海域を念頭に敷設ルートを調査し必要な設備や費用・工期を検討する。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を通じて調査業務の委託先を公募している。年内にも調査結果の中間報告をまとめる予定だ。
 経産、国土交通両省と民間事業者で構成する官民協議会が昨年まとめた「洋上風力産業ビジョン(第1次)」によると、30年時点の洋上風力発電導入量の約8割が北海道、東北、九州の3地方に集中する見込み。発電適地と遠隔地にある首都圏や関西といった大消費地を結び効率的に送電するため、経済性に優れる直流送電で技術的課題やコストなどを検証する。
 実現可能性調査では海底地形や水深、通信ケーブルの有無などを勘案し、直流送電ケーブルの敷設に適した海域と陸揚げ地点を選定。複数のルート案を検討する。実現に必要な回路構成や設備仕様も調べる。これらを前提に、ケーブルの敷設と維持管理にかかる費用や工期の想定を算出する。調査業務の名称は「洋上風力等からの高圧直流送電システムの構築・運用に関する調査」。応募を26日までウェブで受け付ける。業務の履行期限は22年3月18日。
 国内では電力を地域間で送電する「地域間連系線」4カ所で直流送電を採用。うち、北海道~東北間の「北本連系設備」(ケーブル延長43キロ)と関西~四国間の「紀伊水道直流連系設備」(48・9キロ)の2ルートで海底ケーブルを導入している。
 欧州は国同士の連系線や国内の送電線として直流送電を積極的に採用。英国とノルウェーを結ぶ「ノースシーリンク」の契約金額をみると、ケーブル(延長720キロ)の整備などが約1160億円、変換器(設計や建屋整備含め)は約500億円という。

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