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監督検査の合理化進む-コロナ禍で遠隔臨場が急増/日建連会員調査  [2021年5月12日1面]

 新型コロナウイルス感染防止対策の一環として、監督・検査業務の合理化が進んでいる。日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)が会員企業に行った調査によると、回答した836現場のうち、210現場で遠隔臨場が行われていることが分かった。特に国土交通省や高速道路会社の現場はこの1年で急増している。会員からは「移動時間の削減や柔軟な日程調整が可能で、検査の時短などにつながる」と受発注者双方のメリットが挙がった。
 12日に始まる国土交通省地方整備局などとの2021年度意見交換会に備えて会員企業に調査した。18~20年度に遠隔臨場を導入した現場を発注機関別に見ると、▽国(道路・河川)187件中66件▽同(港湾・空港)99件中23件▽高速道路会社159件中70件▽機構・事業団120件中17件▽地方自治体271件中34件。3年間で合計210件となった。
 実績を積み重ねながら遠隔臨場を実施している現場が多い中、遠隔臨場に対し「おおむね有効」との回答が53%で半数を占める。「どちらとも言えない」が29%、「大いに有効」は11%、「あまり有効とは思わない」が7%だった。
 国交省や高速道路会社ではコロナ感染防止の観点から、20年度に監督業務の遠隔臨場を試行導入している。日建連は稼働中の原則すべての工事で遠隔臨場の導入を提案する。効果的な活用を図るため、着工前の受発注者の協議により遠隔臨場の対象範囲や必要な機器、通信設備などを決めるよう求めている。
 中間技術検査や竣工検査時の出来栄え検査については、「遠隔では的確に実施できると思えない」「出来栄えなど工事成績評定点に反映されるものは直接確認してほしい」と導入に消極的な声もある。課題を共有し、改善方策を模索するため国交省らに検討の場の設置を提案していく。
 煩雑な書類検査への不満は根強く、書類の簡素化や受注者に作成義務のない書類の適正化も同時に求めていく。地方自治体でのASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)の利用は2割にとどまる。道路会社、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の半数で電子検査が実施されてない。日建連は押印省略など書類のデジタル化を働き掛け、電子検査やオンラインの電子納品などDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進していく。

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