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土木技術者-10年後は3人に1人が60歳代に/若手の育成急務/日建連会員調査  [2021年5月14日1面]

 土木技術者は10年後、3人に1人が60歳以上に--。日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)が実施した会員調査によると、監理技術者の中心世代である40~50代が今後少なくなり、2030年には60歳以上が29%を占めることが明らかになった。現場で陣頭指揮を執る技術者を養成するには、20代後半~30代の人材登用が今から必要と訴えている。
 日建連の調査によると、対象43社の20年時点の土木技術者数は計2万8090人。年齢構成を見ると20代は22%、30代は11%で、監理技術者の中心世代である40代は24%、50代は28%にとどまる。30年時点の総数を20年と同じと仮定した場合、年齢構成は20代が15%、30代は22%、40代は11%、50代は23%になると予想。60歳以上の割合は20年の15%が29%に倍増する見通しだ。
 国土交通省関東地方整備局らと12日に開いた意見交換会で、日建連の佐藤健人公共積算委員長は「実績のある監理技術者が極端に少なくなる。公共工事の現場を担う技術者が不足するのは確実に見えてきた」と警鐘を鳴らした。その上で「若手技術者の監理技術者への登用を早急に進め、監理技術者の不足や技術の伝承に支障が生じないようにする育成策を今のうちから講じることが必要だ」と強く訴えた。
 佐藤委員長は国交省東北地方整備局が運用する「専任補助者制度」を紹介。同制度は補助役として専任のベテラン技術者を配置すれば、若手技術者を監理技術者に登用できる。若手技術者の配置促進に有効とされ技術の伝承につながる。WTO政府調達協定の対象工事にも適用している。
 「若手技術者の同種工事の施工経験として工事規模を問わず、当該工種の施工経験のみで可としている。受注後に制度利用の選択ができるのも受注者として取り組みやすい」と佐藤委員長は制度の有効性を評価。東北整備局の取り組みを全国展開するよう求めた。日建連の調査では女性の土木技術者数は43社の合計で985人。20代が62%、30代は22%と若手が大半を占めている。女性活躍推進の観点からも専任補助者制度の導入拡大を促した。
 下請会社の技術者不足も深刻になっている。日建連の調査では、下請の主任技術者の交代人材がいない現場が約7割に上ると判明した。4週8閉所が困難な工事は交代制により、個人レベルで週休2日を確保しているのが現状だ。主任技術者の資格要件は実務経験10年以上が必須となる。佐藤委員長は「下請各社の要員確保を考えると厳しい。必要実務経験年数の短縮などが必要だ」と要件緩和を迫った。

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