企業・経営

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

主要ゼネコン27社/21年3月期決算/21社が減収、海外工事の中断など影響  [2021年5月17日1面]

 主要ゼネコン27社の2021年3月期決算が14日に出そろった。連結ベースの売上高はコロナ禍に伴う国内、海外工事の一時中断などの影響を受け24社が減収。本業のもうけを示す営業利益も17社が減少した。堅調に推移する国内官庁工事に加え、コロナ禍で低迷した民間投資も徐々に回復との見通しから、22年3月期の連結業績予想は17社が増収を見込む。
 手持ち工事の順調な消化などで前田建設と熊谷組、ピーエス三菱の3社が増収を記録した。営業増益は前田建設や熊谷組、フジタ、安藤ハザマなど10社。
 工事の採算性を示す単体の完成工事総利益(粗利益)率は、公表しているゼネコンのうち9社が前期の実績を下回った。ただ「設計変更による請負金増加や原価圧縮などで大幅に改善した」(大林組)ことなどを背景に、16社が2桁の高水準となった。
 業績の先行指標となる単体受注高はコロナ禍に伴う国内民間投資の冷え込みや海外工事の大幅減などで15社が減少した。三井住友建設など大型受注が相次いだ前期の反動減を理由に挙げる企業も多かった。「シンガポールや香港で大型工事の受注増が寄与した」(五洋建設)ことなどで、11社が受注を伸ばした。
 コロナ禍の影響は、国内で今後も限定的と見る企業が多い。海外は大半の工事が再開し、北米などで今期は投資が回復すると見る。国内工事が横ばいで推移する中、海外事業の回復などを理由に22年3月期は受注増を見込む企業が目立っている。
 新型コロナウイルスの収束にめどが付かず、民間設備投資の動向には不透明感が漂う。準大手、中堅ゼネコンには競争激化を懸念する声もある。一方で「コロナ禍の影響は一部。(中小規模案件も)20年度下期からは受注は回復に向かい、大きく落ち込んだ感じはない」(大手ゼネコン)との声もあり、競争環境への受け止めはまだら模様だ。
 21年度から中期経営計画がスタートするゼネコンも多い。次の成長基盤をどう築き上げていくのか。他社の一歩先を行く取り組みが求められそうだ。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。