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国交省/河川整備基本方針の抜本見直し着手/流域治水を全国展開、気候変動も反映  [2021年5月24日2面]

 国土交通省は河川の水系ごとに整備の長期的な構想を定める「河川整備基本方針」の抜本的な見直しに着手した。流域の関係者が協働して対策に取り組む「流域治水」の全国展開を図る。気候変動に伴う雨量の増加を対策の根拠に採用するのもポイント。初段として近年に大規模な水害が発生した2水系で議論を開始。今後、昨年7月の豪雨で甚大な被害が発生した球磨川水系などにも対象を拡大する予定だ。
 21日に開いた社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)河川分科会河川整備基本方針検討小委員会(委員長・小池俊雄土木研究所水災害・リスクマネジメント国際センター長)の第110回会合で、▽新宮川▽五ケ瀬川-両水系の基本方針見直しに向けた検討を始めた。国は基本方針に記載した内容を別途策定する「河川整備基本計画」に反映。同計画に整備の具体的な内容を盛り込む。
 気候変動を踏まえ、将来の予測雨量を基本方針の根拠に取り入れる。2010年までの実績雨量を元に基準値を算出し、気候変動に伴う雨量の増加率「降雨量変化倍率」を掛けて将来の雨量を導く。国は平均気温が4度上昇した場合の降雨量変化倍率を、対象の2水系が流れる地域で1・2程度と推定している。
 新宮川水系熊野川は11年9月の台風12号で洪水や土砂災害が発生し、和歌山那智勝浦町を中心に72人の死者が出た。五ケ瀬川水系は05年の台風14号の豪雨で土砂災害が多発し、流域を中心に29人が亡くなった。
 会合の冒頭にあいさつした国交省水管理・国土保全局の井上智夫局長は「河川行政にとって、非常に大きなターニングポイントだ。将来の世代に、安全をしっかり残すという重要なことと認識している」と話した。

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