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土木学会/省人化技術の開発加速を/コロナ禍で第2次声明、全国的な防災投資必要  [2021年5月25日1面]

家田仁会長

 土木学会(家田仁会長)は24日、コロナ禍を踏まえた社会とインフラの転換に関する第2次声明を発表した。建設産業を「ライフラインや災害復旧を支えるエッセンシャル・インダストリー(必要不可欠な産業)」と位置付け、感染リスク低減にもつながる省人化・無人化技術の開発などを、オープンイノベーションで進めるよう提案。長期的視点として東京一極集中の是正が必要とし、全国的に「安全と安心を確保できる防災投資が必要」と訴えた。
 昨年7月に発表した第1次声明以降、建設事業やインフラ施策の技術開発や適応策などを踏まえ提言をアップデートした。感染拡大に際しての社会変容への対応に加え、感染症と自然災害の「複合災害」への備えや新たな社会基盤構築に向けた提言などを盛り込んだ。
 建設生産システムの無人化・省人化は、行政側がオープンイノベーションによる共同開発を支援し「業界を挙げて裾野を広げる取り組みを進めるべきだ」と主張。新技術の積極採用に「コスト比較だけでなく感染症対策や省人化を総合的に評価する仕組みづくり」が必要と説いた。感染症発生時のリスク分担などを契約約款や特記仕様書に明文化するなど、契約制度やガイドラインの事前整備も訴えた。
 複合災害への備えは、熊本県を中心に被害があった2020年7月豪雨で得た知見を反映した。円滑な避難を実現するための情報提供が必要と指摘。大型台風や線状降水帯の予測技術や市町村による避難指示発令を支援するシステムなどの研究開発の加速と早期の実装を提案した。
 同日の会見で家田会長は声明の背景を説明し、コロナ禍を契機に「科学的スタンスで危機的状況に対応する」ことの意味を突き詰めたと強調。「ひどい状況になってから手を打っていてはいけない。問題を先送りしていては危機管理にならない」と訴えた=写真。

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