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JAPIC/中川運河(名古屋市)の再生構想案提言へ/水辺空間に職住遊環境整備  [2021年5月27日2面]

中川運河の将来イメージ

 日本プロジェクト産業協議会(JAPIC、進藤孝生会長)は、名古屋市の都心と港湾エリアを結ぶ「中川運河」の水辺地区再生構想案をまとめた。▽水と緑の回廊空間▽新旧が融合する職住遊環境▽地理的特性を生かした交通環境-の三つが柱。水辺環境の維持を官民連携で行う枠組みとして、既存の用途規制の緩和や優遇措置の導入も提案している。官公庁への広報活動や民間の参入機運醸成に取り組んでいく。
 21~23日にオンライン開催された「世界運河会議NAGOYA2020」のプログラムの一つとして、再生構想案を議論するシンポジウムを開いた。都心を流れる中川運河の周辺地域は人々のにぎわいや憩いを生み出すポテンシャルを秘めるが、現状は臨港地区となる倉庫街が中心。閉鎖水域の水質悪化や高潮浸水の危険性などの課題も抱える。
 再生構想案は、管理者の名古屋市と名古屋港管理組合が2012年に策定した再生計画を基に新たなライフスタイルやトレンドを反映。「グリーンリカバリー」や「ポストコロナ」の時代にふさわしい価値創造を目指した。例えば水辺空間の再整備で文化・芸術の交流エリアを創出したり、倉庫街のリノベーションでさまざまなライフスタイルが可能な沿岸を形成したりするアイデアを示した。
 プロジェクトの実現に向け、官民連携で臨港地区を含む運河用地の管理運営権を民間に開放することで、規制緩和による収益の一部を護岸整備などに充ててもらうなどのスキームを提案している。民間事業者の事業参画を促すため、国家戦略特区などの活用による規制緩和や優遇措置、多世代・多価値交流空間形成への政策展開などを求める。
 再生構想案は2017年にJAPIC国土・未来プロジェクト研究会(藤本貴也委員長)がまとめた提言「次世代活性化プロジェクト」に盛り込まれていた。今回作成した案について藤本委員長は「ポストコロナなどを踏まえ構想を練り直した。スピード感や一体性の確保が課題。シンポジウムでの意見を踏まえ最終案をまとめる」と話した。最終案の提言は名古屋市や市民、国などへ広く発信する考えだ。

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