行政・団体

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

九州整備局/VR活用し初の災害査定研修実施/現地調査を疑似体験  [2021年5月27日13面]

災害査定用バーチャルツアーの画面

 九州地方整備局はインフラ分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に向けた取り組みの一環としてVR(仮想現実)と3Dデータ、クラウドを活用した初のオンライン形式の災害査定研修を実施した。VR空間に再現した災害現場へ自宅や職場からパソコンでアクセスし、3Dの点群データを活用して被災状況把握や被災要因の分析などを体験。災害査定業務のポイントなどを学んだ。
 九州整備局では災害査定の実査をオンラインで行う仕組みの構築を進めており、24、25日に実施した災害査定研修で試行運用した。災害査定業務を担当する出先事務所の職員30人に加え、長崎県の職員3人、鹿児島県の職員1人の計34人が研修に参加。同局によるとVR、3Dデータを用いたオンラインの災害査定研修は国土交通省では初めて。
 2020年7月豪雨で被災した熊本県芦北町の被災地を360度カメラで撮影した写真をベースに、現場内を自由に移動できるシステム「災害査定用バーチャルツアー」を構築。3Dの点群データを使って被災箇所の高さや長さを計測し、被災状況の把握や被災要因の分析、査定額の算定までの一連の流れを体験した。
 バーチャルツアーは作成が容易で安価に災害現場を再現できる。3D点群データの活用ではクラウドを使用することで高価なパソコンと同等以上の処理を一般のパソコンで行うことができる。点群処理は測定データをクラウドにアップすれば、AI(人工知能)などがほぼ自動的に行うという。
 災害査定研修は現地で行うことが難しく、これまでは机上での研修しか行われていなかった。大規模自然災害が頻発する中、オンライン研修が職員の育成に寄与することが期待される。参加者からは「安全で効率的に現場を体験できた」「被災要因を正確に理解できる」などの感想が寄せられた。
 九州整備局は今後、「実際の災害査定での活用を検討していきたい」としている。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。