論説・コラム

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回転窓/氷河期の行方  [2021年6月3日1面]

 6月に入り来春卒業予定の学生らを対象にした採用選考が本格化する。昨年に続いてコロナ下の就職活動となり、オンライン方式での面接が主流に。緊急事態宣言が延長され、対面からオンラインに急きょ変更した企業も見られる▼厚生労働、文部科学両省が先月まとめた今春卒業の大学生の就職率(4月1日現在)は96・0%となり、前年同時期に比べて2・0ポイント低下。1997年の調査開始以来、過去最大の下落幅となったリーマン・ショック後の2010年卒(3・9ポイント低下)に次ぐ落ち込みとなった▼右肩上がりが続いたインバウンド(訪日外国人旅行者)需要が一気に消失した影響などにより、観光・航空業界を中心に新卒採用を抑える動きが広がった。企業説明会の中止などで情報収集の機会が減り、希望職種に就けない学生も増えたようだ▼バブル崩壊後のような就職氷河期を繰り返すまいと、国も神経をとがらす。新卒採用による新規雇用の増加を後押しする税制措置など、企業側の採用意欲を喚起する施策を講じる▼担い手確保が喫緊の課題である建設産業。社会情勢に左右されない戦略的な採用活動が求められる。

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