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大成建設ら/ICU向け遠隔操作ロボットを開発/医療従事者の負担軽減  [2021年6月7日3面]

別室にいる医療従事者の操作により、ロボットがシリンジポンプのボタンを押す

 大成建設と国立国際医療研究センター(NCGM、国土典宏理事長)は「集中治療室(ICU)向け医療機器遠隔操作ロボット」を開発した。ICUで新型コロナウイルス感染症患者の治療に当たる医療従事者の労働環境を改善するのが目的。東京都新宿区にあるNCGMセンター病院で非接触エリアから医療機器を遠隔操作。ロボットの操作状況や性能を検証した結果、医療従事者の感染リスクが低減できると確認した。
 同社が工場など生産施設向けに開発した「力触覚伝達型遠隔操作システム」の技術を応用した。医療従事者がICUに入室せずに、非接触エリアから医療機器を遠隔操作する。初弾として頻繁に操作が必要な医療機器であるシリンジポンプを対象に遠隔操作の実証を行った。
 ロボット操作では、シリンジポンプの操作ボタンやダイヤル近くまでアームを移動させ、コントローラーでボタン、ダイヤルを遠隔操作するハイブリッド動作を実現した。機器までのアーム移動の自動化は、あらかじめティーチングで実施しておく。ボタン・ダイヤル操作は医療従事者がICUで使用する機器の表示画面やロボットの様子を映像と音声で確認し、状況を判断しながらコントロールする。
 1台のロボットで最大6台のシリンジポンプが操作できる。ロボット制御機構を搭載した専用架台を使うことで効率的に操作できる。マイク付きのウェブカメラを専用架台上方に3台設置すれば、映像や音声を活用しながらロボット操作者が遠隔側ロボットやシリンジポンプの動作状況を確実に確認できる。
 新型コロナの重症患者が入院するICUでは感染防止のため、医療従事者が機器の簡易操作のたびにガウンやマスクなどの防護服を装着して入室する。シリンジポンプなどは簡易なボタン操作が多いものの、防護服の装着など入室の準備に手間と時間が掛かる。防護服の着脱を繰り返すことで不備による感染リスクが高まる可能性がある。

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