行政・団体

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

土木学会/インフラメンテ変革へ声明/契約制度の抜本的変革を、資格制度創設も提案  [2021年6月9日1面]

 土木学会(家田仁会長)は8日、増大するインフラ施設のメンテナンスの課題を整理し、解決に向けた方策を盛り込んだ声明を発表した。国を挙げた取り組みとして、契約制度の抜本的変革の必要性を強調。地域のインフラを包括的に管理する技術者の育成の観点から、インフラメンテナンスに関わる新しい資格制度の創設を提案した。同学会が本年度にインフラメンテナンス分野の表彰制度を新設する考えも表明した。
 国内には道路橋約70万橋、道路トンネル約1万本がある。うち市町村が管理する橋梁は約3分の2、トンネルで約2割に達する。今回の声明では規模の小さな自治体の人材と財源、技術の普及などをメンテナンスの課題として列挙した。
 対症療法的に小規模の維持修繕工事を個別に発注する従来方式からの転換が必要だと指摘。長期性能保証や性能発注による包括民間委託、PPPやコンセッション(公共施設等運営権)の活用といった制度設計を国が主導して進めるべきだと訴えた。地方自治体も新制度を導入すべきだとした。新技術の開発と社会実装の必要性にも言及した。
 民間投資や新たな担い手を呼び込むため、インフラメンテナンスを産業の一分野として確立する必要があると強調。施設管理者や自治体、地域建設業の技術者らが第一線でインフラに接する「インフラ総合診療医」の役割を担う。必要な資質を明らかにすると同時に、ステータスを向上させるため資格制度の創設を求めている。
 同学会が取り組む方策の一つが、メンテナンスに特化した表彰制度の創設。メンテナンスに関わる人やプロジェクトを表彰する。地域の好事例や新技術導入、国際展開をテーマとした論文も収集する。いずれも今夏にも公募する予定だ。
 同学会は国や地方自治体などが管理するインフラ施設の健全状態や維持管理体制を評価した「インフラ健康診断書」を2016年度から公表している。道路橋について、従来の都道府県から市町村単位に細分化した評価の仕組みを考案中で、近く発表する方針だ。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。