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千葉県・熊谷俊人知事に聞く/防災体制強化と産業誘致に注力/建設業の人材確保も  [2021年6月16日5面]

熊谷俊人知事

 千葉県の熊谷俊人知事が日刊建設工業新聞社の取材に応じ、災害対策やインフラ整備の方針を語った。災害時の情報収集体制を整え、広域幹線道路と沿線の整備にも気を配る。注目度が高い洋上風力発電は銚子市沖での事業化に期待する。プロジェクトや災害対応を支える建設業の人材確保・育成も重要な課題と捉える。
 --2019年の台風、豪雨を踏まえた防災面の取り組みは。
 「19年の災害はさまざまな課題を浮き彫りにした。特に問題だったのは情報収集体制の不備だ。非常時は何が起きているか正しく把握することが何より重要になる。平時から現場の情報が速やかに中枢部へ伝わる組織、体質を作り上げることが大切だ。首長が独自のチャンネルを使って刻々と変化する情報を集め決断することも求められる。災害時にはトップダウンとボトムアップの両面が必要になる」
 --強風による大規模停電が県民生活に大きな影響を与えた。
 「東京電力パワーグリッドと締結している連携協定の実効性を担保しなければいけない。事前伐採など倒木対策も着実に実施する必要がある。事前伐採は対象地域や費用負担などのルールがきちんと整理されていない。国が主導して考え方を示すべきだ」
 --選挙公約の中で「交通インフラの充実」を柱の一つに挙げた。
 「広域的な道路ネットワークの整備は道半ばにある。今後も整備促進を繰り返し国に要望したい。道路は造るだけでは意味が無い。整備に合わせた街づくり、土地活用が極めて重要だ。企業誘致と雇用の確保につなげるため、広域幹線道路ネットワークを生かし、枯渇しつつある産業用地の確保にも力を入れる。市町村や民間企業との連携や県による直接整備も選択肢の一つに最も適した手法を考えたい」
 --銚子市沖では洋上風力発電の事業者選定が行われている。
 「洋上風力発電は災害時の電力確保につながる。安定した風が見込めるエリアが県沿岸部にある。まずは選定される民間事業者と電力の地産地消に向けて連携したい。洋上風力を生かした新産業の創出は地元の期待も大きい」
 --建設業への期待は。
 「建設業は県土を支える重要な職種だ。防災の観点からも地元建設企業の支援と育成は大事だと考えている。ただ若手人材の確保が大きな課題となっている。市町村や県の教育部門とも連携し、若者の進路選択に加わるような施策を考えたい。親世代の認識が大切で、行政の役割も大きい。働き方改革も意識し、工事や業務の発注の面からも必要な施策に取り組みたい」。
 (くまがい・としひと)2001年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。民間企業を経て、07年千葉市議会議員に当選。09年千葉市長に初当選し当時の全国最年少市長に。3期途中まで約12年市長を務める。3月の県知事選挙に出馬し初当選した。奈良県出身、43歳。

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