デジタルで建設をDXする

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

デジタルで建設をDXする・23/樋口一希/3次元都市モデルで物流ドローン運用実証  [2021年7月8日]

3次元都市モデルがアップデート可能かを検証

 A.L.I.Technologies(A.L.I.)は、国土交通省が主導するプロジェクト「PLATEAU(プラトー)」に参画し、ドローン測量によって3次元都市モデリングデータを民間活用するための実証実験を実施した。A.L.I.は、AI搭載型ドローンをはじめとしたドローン・AI事業など各種ソリューションビジネスを展開している。

 □加賀市の協力で3次元都市モデルを使用した物流ドローンのフライトシミュレーションを実施□

 「PLATEAU」は日本全国で3次元都市モデルの整備・オープンデータ化に取り組むプロジェクトだ。3次元都市モデルの整備とユースケースの開発、利用促進を図ることによって全体最適・市民参加型・機動的な街づくりの実現を目指している。
 A.L.I.は、3次元都市モデルの構築対象約50都市の一つである石川県加賀市と協力し、3次元都市モデルを使用した物流ドローンのフライトシミュレーションを行うのに合わせて、効率的アップデートのために、物流ドローンが撮影する配送ルート上の航空写真を活用した3次元都市モデルの更新可能性についても検証を実施した。

 □航空法準拠の自動空路可視化機能による3次元での事前飛行ルートシミュレーション□

 実証実験は3月1~4日の期間、加賀市の片山津温泉街を対象に3次元都市モデルを用いて、ドローン運航のシミュレーションによる業務効率化と飛行によるモデルアップデート可否の検証として実施された。
 具体的には、3次元都市モデルの利用の観点で、A.L.I.のUAV(無人航空機)管制システム「C.O.S.M.O.S(コスモス)」(※1)に連携させ、航空法に則った自動空路可視化機能による3次元での事前飛行ルートシミュレーションを実施するとともに、運航者トレーニングにより業務効率化・コストダウンにつながるかを検証した。
 合わせて、3次元都市モデルのメンテナンスの観点から、物流UAVによる配送ルート確認用の撮影写真から写真測量を実施し、測量結果により3次元都市モデルがアップデート可能かを検証した(図参照)。
 (※1)C.O.S.M.O.S=UAVの群制御、航空管制を可能にするトラフィック管理プラットフォーム。UAVの自動運用の原則となる、機体の健全性、運用の確実性、周辺と運用者の安全性をより確実に計画・監視・管理することを可能にする技術。

 □3次元都市モデルを用いた実証実験の結果を受けて飛行ルートのシミュレーターを新規開発□

 今回の実験に際してA.L.I.は国際基準規格であるCityGML(※2)形式のデータを使って飛行ルートのシミュレーションができるシミュレーターを新たに開発、C.O.S.M.O.SにCityGMLデータが取り込めるよう追加開発も行っている。
 CityGMLは一般的な地図データと異なり、建造物の高さ情報が含まれているため、ドローンの飛行ルート設定やシミュレーションには有用性を持つ。
 今後は、シミュレーターで生成されたルートをC.O.S.M.O.Sに組み込めると、シミュレーションと同じルートを飛ぶことができるため、事前に現場確認に赴く工数の軽減や、飛行ルート設定での反復作業の削減を図ることができ、総合的なコストダウンにつながることが期待できる。
 ドローン物流と並行して行う測量データは、CityGMLの精度までには至らないものの、地図データの更新の頻度向上には有効なレベルであると実証できた。A.L.I.ではこれからもドローンの社会実装、空の活用に向けた活動に参加し、安全で持続可能なドローン運航法の確立を目指していく。
 (※2)CityGML=都市に存在する建物や街路、橋梁などのオブジェクトを地物として定義し、形状や名称、種類、建築年といったオブジェクトについての空間・時間・主題にかかわる全ての情報を地物の属性として定義している。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。