デジタルで建設をDXする

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デジタルで建設をDXする・24/樋口一希/3次元スキャナ活用の施工管理システム  [2021年7月15日]

3次元スキャナで施工現場を読み込み(左)、ARを使ってタブレットで確認

 大東建託はイクシスと共同で、3次元スキャナによる周辺点群データを活用した施工管理システムを開発し、10月から自社の施工現場で試行を開始する。

 □建物や躯体の完成イメージをARで確認でき、確認・検査業務の効率化が実現する□

 今回開発した施工管理システムは3次元スキャナとBIMを連携させたもので、現場従事者がタブレットやスマートフォンを通して建物や躯体の完成イメージをARで確認できるため、設計図面を見ながら照合していた確認・検査業務を効率的に行うことが可能だ。ヒューマンエラーがなくなり、品質管理の精度向上にもつながる。大東建託はDXを活用した施工支援ツールの導入を進め、施工管理の一層の効率化を推進していく。
 建物を建設する前に、設計図面を基に建物の配置や躯体、設備配管などの施工位置を確認・検査するが、確認・検査項目は着工から完成までの各工程で多数にわたり、二重チェックなども必要となるため、多くの時間を要するだけでなく、人的作業によるヒューマンエラーが懸念されていた。

 □建物配置や配筋・上棟時の検査にかかる時間は従来と比較して56%削減可能に□

 同システムは、一義的には更地の状態で3次元スキャナを用いて近隣建物や敷地全体の点群データを取得し、位置情報を把握する。その後、建物や躯体の情報を設計図面からBIMによって3次元化し、点群データの中に正確に配置するよう各データをリンクしていくことによって、建物や躯体の完成イメージをARで確認することが可能となる。これにより対象となる全ての現場で導入した場合、建物配置や配筋、上棟時の検査にかかる時間は従来と比較して56%の削減が可能となった。
 さらにARクラウドと連携することで位置補正を自動的に行い、誤差を極めて小さくするとともに、鉄筋や金物などの施工不備箇所がエラー表示されるシステムを開発中だ。ARクラウドと連携したシステムについては2022年度中の導入を目指している。

 □労働力不足の解消や生産性向上が課題となる中でDX推進が必須と考え開発に着手□

 近年、生産年齢人口の減少や高齢化が社会問題となる中、建設業においても労働力不足の解消や生産性の向上は喫緊の課題となっている。ベテラン社員から若手社員へ技術や知識を継承するには長い年数を要するため、現場従事者の若手社員の育成も大きな課題となっている。
 企業の9割以上がDX未着手または途上であることが明らかにされ、経済産業省は「2025年の崖」として競争力低下による経済損失を指摘している。こうした状況下、大東建託は建設業界の課題解決とDX推進が必須と考え、20年10月から同システムの開発に着手した。
 《施工管理システムの機能概要》(次のような確認・検査が可能)
 ▽建物の配置▽基礎配筋、スリーブの位置、種類▽アンカーボルトの位置▽配管の位置、種類、ルート▽壁・間柱・金物の位置▽開口・下地の位置▽外壁サイディングの貼り分け
 《イクシスの会社概要》 イクシスは1998年6月に設立。本社は川崎市幸区に置き、山崎文敬氏が代表を務めている。主な業務内容はインフラ向けロボット、特殊環境対応型ロボットなどの開発・販売、AI、IoT、ICT機器、ソフトウエアの開発・販売・運用、取得データ解析サービスの提供。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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