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首都圏Look at/ペーパレスジャパン/地域建設会社のBIM・CIM支援  [2021年7月19日5面]

VDCセンターのイメージ

 建設生産のIT化や効率化を支援しているペーパレススタジオジャパン(PLS、東京都港区、勝目高行社長)は、BIM/CIMの活用に熱心な地域建設会社の全国ネットワークを構築する取り組みを埼玉県から始めた。同県を拠点とする4社とパートナー契約を締結し、BIM/CIMを日常の業務で使用する環境を整えるとともに、モデルとして全国展開を目指す。
 PLSは、ネットワーク環境の整備、初級者・上級者教育、パイロットプロジェクトの選定・支援、協力会社サポートなど、BIM/CIMの導入と活用を全面的に支援するサービスを提供している。BIM/CIMの利用に設備投資や人材教育に加えて、施主との協議を課題に挙げる地域建設会社は少なくない。同社は専門スタッフを配置した「VDC(バーチャルデザインアンドコンストラクション)センター」がBIM/CIMの利用を目指す個社の対応を支援する。
 センターには、個社の取り組みを統括するマネジャー以下、コーディネーターや建築(意匠、構造)と設備(電気・空調・衛生)の専門スタッフなどが在籍する。BIM/CIMの利用環境を整えるに当たっては、事業提携しているアクティオ、オフィシャルパートナーシップを結ぶオートデスクなどが協力する。利用を希望する企業ごとに、経営層を含めた勉強会、管理者・実務者向けの講習、数年先の目標設定、実案件を対象としたプロトタイプの試行に取り組む。経営層と目標を共有しながら、現場担当者と課題を洗い出す。実践的なスキルを身に付けてもらう担当者向けの集中講習も実施。プロトタイプの試行では、BEP(BIM事項計画書)を整備する。
 パートナー契約を締結したのは、埼玉県の岩堀建設工業(川越市、岩堀和久社長)、伊田テクノス(東松山市、楢崎亘社長)、平岩建設(所沢市、平岩敏和社長)、中原建設(川口市、中原誠社長)の4社。温室効果ガスの削減徹底にBIMを生かす伊田テクノスのように、設定した目標の達成を各社の強みを生かしながら目指す。
 PLSの小澤淳一アカウントマネージャーは、VDCセンターを軸にした建設会社の支援に関し、「トップの号令が行き渡る地域建設会社は、従来の仕事が変わるのは早いと考えている」と狙いを語る。働き方改革のために設計や施工の業務効率を一層向上させる必要がある中で、国土交通省が直轄事業でBIM/CIMを原則化すると表明し、地域建設会社もBIM/CIMの導入は避けられないと見ている。
 PLSは、各社の実案件ベースでBIM/CIMのプロセスを実行する考え。小澤マネージャーによると、施工図だけでは難しかったベテラン職員と若手のコミュニケーションが3Dモデルで促せたり、建設業の職務経験が短くても業務の中心になっていたりする人がいるなど、BIM/CIMの効果と必要性の認知が進んでいるという。
 フロントローディングを必要と意識しながらも行うのが難しい地域建設会社は少なくない。BIM/CIMを巡っては、普及や利用促進のための課題が共通しており、ネットワーク構築の意義は大きいとみて、「中小建設会社BIM/CIM全国ネットワーク」の構築に乗り出す。「(設計や施工の)今までの仕事のやり方を変えられるか」など、顧客と真摯(しんし)に向き合いながら、建設業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に貢献する。

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