論説・コラム

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回転窓/ジレンマの五輪  [2021年7月26日1面]

 57年ぶりの東京五輪が開幕した。パンデミック(世界的大流行)の収束が見通せない中での開催となり、無観客や行動制限など、これまでにない環境下で競技が行われている。仕方がないとはいえ、最高の舞台で躍動する選手たちを、自国大会なのに現地で応援できないのは残念だ▼未知なるウイルスへの恐怖から、昨年は大会の1年延期に対して、国内外でおおむね理解を得たと思われる。今年に入り、観客の有無や中止論が開幕直前までささやかれ、さまざまな判断が二転三転する事態に▼アスリートも五輪開催に対するコメントに戸惑う姿が多く見られた。完全な形で大会が開かれるのが望ましいことは誰もが分かっていること。コロナ禍を軽視するわけではないが、自由な発言を許さない世の中の空気にも違和感を覚えた▼最高位スポンサーであるトヨタ自動車は五輪用のテレビCMを放映しないと判断。豊田章男社長の開会式への出席も見送った。他のスポンサー企業でも同様の動きが広がった▼盛り上げたくても盛り上げられないジレンマが続く。暗たんたる雰囲気を各地で繰り広げられる熱戦で吹き飛ばしてほしい。

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