工事・計画

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

近畿整備局/淀川水系整備計画変更案、6府県知事が同意/大戸川ダム本体工事へ前進  [2021年7月29日10面]

 近畿地方整備局が洪水調節専用の流水型ダムとして計画している大戸川ダム(大津市)の本体工事実施を明記した淀川水系河川整備計画の変更案について、滋賀県や大阪府など関係6府県の知事が同意した。同局が河川法に基づき意見照会していたもので、今後、知事意見を踏まえ、整備計画を策定する。変更案では環境調査を含め必要な調査を行った上で、工事を実施するとしている。
 近畿整備局は2009年に策定した整備計画の見直しに向けた変更計画の原案を2月に公表。本川や支川で河川整備が進む一方、台風などによる豪雨被害が頻発し、宇治川と桂川では目標を上回る洪水が発生していることなどを踏まえ、新たな目標や整備メニューを定める。
 4月には専門家や関係住民らの意見を踏まえ、変更案を公表し、滋賀県、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、三重県の各知事に変更案に対して意見を求めていた。その後、今月12日に兵庫県知事、15日に三重、奈良両県知事、16日に滋賀県知事、20日に京都府知事が回答。26日に大阪府の吉村洋文知事が同意する文書を提出し、全知事の回答が出そろった。
 大阪府の回答では大戸川ダムの建設について「調査・設計で内容を精査し、工事の実施に当たってはコスト縮減を図られたい」と意見を述べている。府域の治水安全度を向上させるためにも淀川大堰下流に架かる伝法大橋、淀川大橋などの改築が重要だとし、「事業中の阪神なんば線淀川橋梁改築事業を遅延なく効果発現に努め、新たな事業の着手に当たっては府の意見を聴取すること」を求めている。
 滋賀県の三日月大造知事は「大戸川ダム本体工事を早期に実施すること」とした上で、「今後も動植物や生態系、景観、土砂流動などの観点から調査・検討を行い、所要の対策を講じることで環境影響ができる限り回避・低減すること」を求め、大津信楽線など付け替え道路の着実な整備も要望した。
 三重県の鈴木英敬知事は「今後も厳しい財政状況が予想されるため、河川整備に当たっては徹底したコスト縮減に努め、県民から事業費や整備スケジュールが理解されるよう事前に協議調整すること」とし、22年度早期に川上ダム(三重県伊賀市)を完成させることを求めた。
 変更案では国、府県、市町村、企業、住民など流域のあらゆる関係者が協働で取り組む治水対策「流域治水」を推進。淀川の流下能力を確保するために必要な橋梁の架け替えを早急に検討し、関係機関と調整した上で実施するとした。大戸川ダムは環境影響をできる限り回避・低減するための環境調査を含めて必要な調査を行った上で本体工事を進める。三川合流地点は下流側の河道掘削を行い、上流域の水位を極力低下させる。
 大戸川ダムは洪水調節を目的とした重力式コンクリートダム。堤高は67・5メートル。総貯水量約2210万1000立方メートル、洪水調節量は約2190万立方メートル。事業費は1080億円程度を見込む。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。