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鴻池組が創業150周年/渡津弘己社長に聞く  [2021年7月29日1面]

渡津弘己氏

 ◇従業員エンゲージメントでゼネコンナンバーワンへ
 鴻池組が今年、創業150周年を迎えた。渡津弘己社長は社是である「誠実、懇切、敏速」の精神を未来につなげていくと強調。「幸せ」を共有し、鴻池組のあるべき姿を追求すると力を込める。生産性向上や働き方改革も加速し、従業員エンゲージメント(社員と会社の絆)で「ゼネコンナンバーワンの会社」を目指す。
 --大きな節目を迎えた。
 「創業150周年を迎えられたことは、お客さまや協力会社の皆さま、地域の方々のご支援と、多くの先輩方、社員たちが真摯(しんし)に仕事に向き合ってきた歴史があればこそで、感謝を申し上げたい。創業以来、事業拡大の好機などもあったが、バブル崩壊後に直面した建設業冬の時代を、法的整理や金融支援を受けず自助努力で乗り切った。先人の築いた信用があってこそであり、それを未来につなげるため、社長として会社をけん引していく」
 --長期ビジョンを策定した。
 「150周年を機に2050年を目標年とした長期ビジョン『KONOIKE ONE VISION 2050』を策定した。人と社会の幸せに貢献し、働くわれわれ自身も幸せを共有して未来へつなげていくという思いを込め、ステートメントを『“幸せ”をつくる、支える、共にする。』とした。しなやかで強い組織になるため、全役職員と協力会社を含む皆がワンチームになる。ビジョンは同じ価値観を共有して進むための価値判断基準であり、数値目標は示していない」
 --今後の事業戦略は。
 「当社の強みは環境浄化技術だ。2030年度に売上高の30%を環境関連分野が占める目標を立てている。海外事業は政府開発援助(ODA)を中心に売上高の10%を目標に、その国の発展の手助けとなるような技術支援などにも力を注ぎたい。積水ハウスグループの一員として、早期の案件情報や技術開発の協業などでシナジー(相乗効果)を創出することで、他社にはない強みを発揮していく。一つ一つの物件に『まじめに、まっすぐ』取り組むことが当社のDNA。厳しい時代だからこそ原点に返るべきだと考える」
 --顧客満足度の向上に取り組んでいる。
 「お客さまの期待を超えて感動を提供するものづくりを追求している。将来に続く満足を提供するため目先のコストだけではなく、永く使っていただくお客さまにとって何が最善の提案なのかを考える。かゆいところに手が届くではなく、『お客さまがかゆくなる前に対処する』ことが大切と考えている」
 --技術開発も重要だ。
 「11月にZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化した新しい研究開発施設が大阪市にオープンする。環境関連分野の研究をさらに深める。施工中はMR(複合現実)といった最新技術も積極的に利用するなど、新しい挑戦のフィールドとしても活用している。来年1月にはDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進するため、社長直轄のデジタル活用推進部署を新設する」。

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