デジタルで建設をDXする

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デジタルで建設をDXする・25/樋口一希/大林組のビジュアル工程管理システム  [2021年7月29日]

プロミエで視覚的に表示される属性情報・写真登録・図面登録

 大林組は、BIMモデルを活用して鉄骨工事や躯体工事などの進捗(しんちょく)を視覚的に把握し、リアルタイムで管理できるWEBアプリケーションとしてビジュアル工程管理システム「プロミエ」(※)を開発した。

 □各建設部材の作業工程などを管理するアプリで工事の進捗状況を3次元で視覚的に確認可□

 鉄骨など建設部材を工場から出荷する際や施工現場に搬入する際、従来は出荷伝票の部材リストと図面を突き合わせて管理していた。部材の取り付けや建て方の完了時においても図面の部材に色を塗り、進捗状況の把握や共有が行われていた。
 これらの作業は、部材数が多く非常に手間がかかり、出荷遅れや部材符号などの記載ミス、情報の伝達漏れの原因になっていた。加えてアナログな手法のため管理情報の共有が困難で、工事出来高の算出を行う際にも、工事の実施記録を表計算ソフトやデータシートへ転記し、その後に計算するなど非効率であった。
 「プロミエ」は、鉄骨など各建設部材の作業工程などを管理するためのアプリで、2018年から現場へ試験導入し、課題や現場の要望を基に機能を改善していた。クラウドサービスと連携したBIMモデルを用いることで、対象工事の進捗状況を3次元で視覚的に確認、管理でき、発注者や協力会社などの関係者間でのリアルタイムでの情報共有が可能となっている。
 BIMモデルが持つ部材の体積や重量などの属性情報を活用することで、「プロミエ」に入力された施工実施記録から工事出来高の算出が容易になり、従来の業務で要していた手間やヒューマンエラーを低減できる。

 □タブレットなどのカメラで建設部材のQRコードを読み取り、搬入や建て方などの実施日を記録□

 タブレット端末を利用して現場内での情報共有やリアルタイムな管理が可能だ。「出荷」「搬入」「建て方」など工程ごとに予定日と実施日を記録する。タブレットなどの端末に付属したカメラが建設部材に貼付されたQRコードを読み取るだけで、その部材の搬入や建て方などの実施日を記録できる。3次元画面や部材一覧から入力対象部材を選択して記録することも可能だ。
 属性情報や建て方実施状況確認のメニューでは、タイムライン表示により工事予定や実施状況の進捗が時系列で確認でき、工程の遅延や前倒しが色別で表示されるので、遅延している部材の位置関係を瞬時に把握し、速やかに対策を立てられる。

 □工事費請求の根拠数量として利用できるので出来高算出と請求にかかる時間を大幅に低減□

 工事出来高算出や請求処理の手間が大きく低減する。記録された実施情報をCSVファイルとして出力できるため、BIMモデルの持つ数量情報(重量・面積・体積など)と連携し、月ごとの工事出来高数量を容易に把握できる。BIMモデルの数量は、図面から算出した数量と比較してもおおむね近似値であり、工事費用請求における根拠数量として利用できる。そのため、工事出来高算出と請求処理にかかる時間を大幅に低減することが可能だ。試行現場においては、約20%の時間を削減できた。
 メモや撮影した写真を部材ごとにひも付けて管理できるので、情報管理の一元化に寄与する。クラウドストレージサービスと連携し、所定フォルダ内の図面(PDF書類)のページを指定してひも付けることで、場所を限定せずに参照でき、情報管理が効率的に行える。
 現在も機能追加・開発を継続しており、工事計画検討機能やフレキシブルな帳票出力機能を搭載することで、機能拡充や社内関連システムとの連携を進める予定だ。今後は「プロミエ」を施工管理BIMプラットフォームの中核として位置づけ、業務の効率化と生産性向上を推進していく。
 (※)プロミエ(ProMIE)=Project Management in Integrated Environmentから「プロジェクトが見える」という意味が込められている。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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