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新社長/東鉄工業・前川忠生氏/JR以外の民間工事拡大  [2021年9月1日1面]

前川忠生氏

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、主要発注者であるJR東日本の工事量が減少している。公共工事やJR東日本以外の民間工事の比率を現在の20%から30%に拡大することで、外部環境に応じて柔軟に経営を継続できる多角的な事業展開を図る。来年完成する研修センターでの協力会社を含む人材育成の強化、協力会社の拡充にも取り組んでいく。
 --注力する取り組みは。
 「当社の中核は鉄道関連工事で、これまでの売り上げ構成はJR東日本発注工事が8、それ以外の公共工事と民間工事は2の比率だった。コロナ禍でJR東日本の投資が抑制されたり先送りになったりしている。これに対応するため今後3年程度で比率を7対3に見直す。コロナ禍が収束してもこの比率を維持し、鉄道が厳しい状況になっても切り抜けられる体制にする」
 --JR東日本以外で拡大する分野は。
 「鉄道工事で培ったノウハウを生かせるような、鉄道に親和性の高い工事などを想定している。例えば線路に近接したマンション建設などは鉄道事業者との調整が必要になる場面もある。鉄道工事の一環で防災関連のノウハウがあることから、国土強靱化にも注力する。公共工事の入札にも積極的に参加していく」
 「分野の拡大に伴い、協力会社の拡充も図る。鉄道工事をメインとする協力会社の中でも、一部の会社は多工種化に前向きだ。鉄道以外の工事を計画的に任せたり、技能者の多能工化をサポートしたりして、さまざまな工事に対応してもらう」
 --今後の経営環境の見通しは。
 「21年3月期と、21年4~6月期の連結業績は減収減益だった。今期が経営的に底に当たるが、来期以降は新型コロナが収束し、鉄道事業の回復を上回る速度でメンテナンスなどの工事発注も回復するだろう。長期的には良好な事業環境になるとみている。本年度にスタートした4カ年の中期経営計画は、最終年度に連結売上高で1500億円を目標にしている。直近で非常に業績が良かった20年3月期を上回る数値だ。7対3の比率を実現した上で、増収増益に持っていきたい」
 --人材育成にどう取り組む。
 「22年4月に茨城県つくばみらい市で建設していた研修センターが完成する。鉄道に関連した工事は施工条件が非常に厳しく特殊な世界だ。通常であれば実際の構造物を使った研修は困難だが、センターには線路を敷設し実際の現場に近い環境で実習ができるようになる。当社だけでなく協力会社にも活用してもらうことで、技術力や安全性の向上につなげたい」。
 (6月24日就任)
 (まえかわ・ただお)1981年東京大学工学部土木工学科卒、日本国有鉄道入社。2015年JR東日本常務執行役員鉄道事業本部副本部長、16年常務東京支社長、19年代表取締役副社長鉄道事業本部長。「誠実」「誠心誠意」を信条にしている。趣味は読書と街歩き。兵庫県出身、65歳。

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