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九電工/城野正明副社長に聞く/新事業本部を新設、脱炭素を成長機会に  [2021年9月14日9面]

城野正明副社長

 九電工が7月にグリーンイノベーション事業本部を新設した。脱炭素社会の実現に向けた動きを成長機会と捉え、太陽光発電などこれまで積み重ねた取り組みをベースに工事受注にとどまらない活動を志向。事業本部長として約80人の体制をけん引する城野正明副社長は「電力需要をマネジメントするアグリゲーターとして挑戦していく」とする。今後の事業展開などについて話を聞いた。
 --グリーンイノベーション事業本部を立ち上げた背景は。
 「再生可能エネルギーの固定価格買い取り(FIT)制度が始まり、当社も2012年から太陽光発電を中心に工事の受注を目指した活動を積み重ねてきた。昨年10月に菅義偉首相がカーボンニュートラルを目指すと発言し、社会が脱炭素に向けた流れに変わっていくだろうと見込まれた。これまで造ってきた再生可能エネルギー発電所などを利用し、社会の課題に解決する事から生じる『社会的価値』と企業として生じる『経済的価値』の実現を目指し、グリーンイノベーション事業本部を立ち上げることにした」
 --活動方針は。
 「事業本部では、脱炭素社会の実現を成長の機会と捉え、営業と技術が一体となって事業拡大を推進する。太陽光発電はFITによる20年間の買い取り期間の終了に伴い、事業の縮小が見込まれる。中期経営計画に基づき24年度に連結売上高5000億円の達成を目指す中で、太陽光の縮小を補う新規事業を強化していく必要がある。バイオマス発電や風力発電など太陽光発電に代わる事業に力を入れながら、電力需要を束ねて効果的にエネルギーマネジメントシステムを提供する『アグリゲーター』としての事業に新たに取り組んでいく」
 --再エネで注力する取り組みは。
 「木質バイオマス発電に地産地消で取り組んでいきたい。宮崎県内に保有する山林で伐採した木材を利用した発電事業を、九州以外でも行えるよう対象地域を広げる。風力発電は陸上、洋上の両方で取り組む。実績の少ない洋上風力では、北九州市の響灘での事業を皮切りに、事業主体となる特別目的会社(SPC)に10%程度を出資して事業に参画する。経験値を積み重ねて事業拡大を目指す」
 --エネルギーサービスにはどう取り組む。
 「今後期待できる分野だ。太陽光など当社が持つ発電設備を生かし、顧客の脱炭素の要望にも応えるアグリゲーターとしての取り組みを展開していく。ディーゼルが主力の離島の電力需要にも再生可能エネルギーを利用するなどして、脱炭素社会への取り組みに貢献していきたい」。

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