論説・コラム

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回転窓/カスリーン台風  [2021年9月15日1面]

 アンナ、バーネーダ、キャロル、ドンナ、アイリーン…。この女性の名前は1947年に日本を襲った台風や熱帯低気圧に付けられたものだ▼当時の日本は敗戦まもなく、アメリカ軍を主とした連合国軍の占領下にあった。台風は米国同様にABC順に女性の名が付けられ、11番目の「K」台風はカスリーンという名前になった▼カスリーン台風は典型的な雨台風で、紀伊半島沖や房総半島沖、三陸沖などをかすめて通過しただけで上陸はしなかった。だが、日本列島付近にはちょうど前線が停滞していたため、9月14、15日にかけて関東や東北に大量の雨をもたらした▼群馬県内では土石流が発生。利根川や荒川の堤防は相次いで決壊し、埼玉県東部や東京都23区に大規模な浸水被害が起きた。死者は1077人、行方不明者は853人。り災者は40万人を超えた。戦費ばかりにお金を使い、治水対策を十分にしなかったツケが回ったと指摘する技術者もいたという▼暑い夏の終わりとともに本格的な台風の季節がやってきた。台風14号は台湾や中国に大きな被害をもたらした。安心・安全な国づくりは、いつの時代でも忘れてはならない。

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