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建設資材価格の上昇鮮明/セメントなど顕著/受注競争激化、建設各社の対応必至  [2021年10月7日1面]

 建設資材の価格上昇が鮮明になっている。セメント最大手の太平洋セメントが6日に値上げ方針を発表。同業他社が追随し、生コン価格に影響する可能性がある。全国鉄構工業協会(全構協、米森昭夫会長)も同日、鉄鋼材料の価格高騰などを踏まえた価格見直しで要請活動を検討すると表明した。世界的な需給逼迫(ひっぱく)による「ウッドショック」の影響を受ける木材関連など、さまざまな建設資材が原燃料や輸送のコスト増を理由に価格の引き上げつつある。受注競争が激化する状況で、建設各社の対応力が問われそうだ。=2、3面に関連記事
 太平洋セメントは、2022年1月1日出荷分からホワイトセメントを除くセメント製品の価格を、1トン当たり2000円値上げする。中野幸正常務執行役員セメント事業本部長は「セメント製造用石炭の価格が上がり、このままでは事業が成り立たない」と説明。オーストラリアやインドネシア、ロシアから石炭を購入しているが、1回ごとに売買する「スポット価格」が過去最高を記録する状況がある。「自助努力ではこなしきれない」(中野常務)と判断し、17年12月以来3年10カ月ぶりに値上げを表明した。
 セメント業界では、住友大阪セメントも「値上げを検討していきたい」(総務部IR広報グループ)としており、同様の動きが広がる可能性が出てきた。セメントメーカーの動きに対して、生コン業界からは「セメントに限らず、骨材や輸送費などの価格が上昇している。最終的には生コン価格に反映せざる終えない」(業界関係者)との声が上がる。
 建設資材を巡っては今年に入り、鋼材や塩化ビニール、アスファルト合材、外装建材、化粧板、防水関連資材などで値上げ表明の動きが相次ぐ。ゼネコン関係者は資材価格の上昇を一定程度織り込んでいるとしつつも、「値上げが顕著になると今後の見積もりには反映せざるを得ない。競争が厳しい中でどこまで上乗せできるかが難しい」と困惑する。集中購買や施工効率化で上昇分を吸収するなど「知恵の出し所になる」とみる。

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