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日本工営/都市空間事業の実績拡大へ/大磯庭園(神奈川県大磯町)活用で業務受注  [2021年10月8日3面]

陸奥別邸跡と旧古河別邸(日本工営提供)

 日本工営が、神奈川県大磯町にある「明治記念大磯庭園」の保存・活用に関連した受注業務を通じ、都市空間事業の実績拡大に奔走している。整備を主導する国土交通省関東地方整備局が業務を発注し、保存管理計画の立案や民活導入の可能性を模索。関連業務で培った知見で都市マネジメント分野のシェア獲得に弾みを付ける。今後は官民保有資産の有効利用に向けたプランづくりで強みを生かす。
 大磯庭園の所在地は西小磯85。初代首相の伊藤博文が建てた邸宅「旧滄浪閣」などが立地する緑地で、全体の敷地面積は約5・3ヘクタール。旧滄浪閣は木造平屋1390平方メートル、隣接する「西園寺公望別邸跡・旧池田成彬邸」はRC一部木造地下1階地上2階建て延べ985平方メートルの規模。敷地東側の「旧大隈重信別邸・旧古河別邸」は木造平屋388平方メートル、数寄屋風建築の「陸奥宗光別邸跡・旧古河別邸」は木造平屋372平方メートル。
 いずれも同町の指定有形文化財の登録を受ける歴史的価値の高い施設群が緑地内に形成されている。施設を管理し、保存・活用を目指す関東整備局から業務受注した日本工営は2018年度から邸宅調査などを実施。保存管理計画や防災計画の立案などを推し進めている。
 民間事業者からのアイデアを計画に反映するサウンディング(対話)型の手法を含む民活の導入が可能かも模索。保存改修の基本・実施設計を担う隈研吾建築都市設計事務所・建文JVとも連携し、24年度の全面供用開始を目指している。
 土木と建築一体で街づくりを展開している日本工営は、国内外で計画される鉄道インフラに合わせた駅施設の整備などで収益基盤の強化を狙っている。東京都内で9月に開いた21年6月期決算の説明会で、新屋浩明社長は「国内では公共や民間保有の建築物の改良や活用・再生市場は拡大している」と予想。受注業務を通じ「都市マネジメント分野に進出する足掛かりにする」考えを表明している。

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