論説・コラム

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回転窓/結果は目標にせず  [2021年10月12日1面]

 将棋の豊島将之竜王に藤井聡太三冠(王位、叡王、棋聖)が挑戦する第34期竜王戦7番勝負の第1局が東京都内で行われた。8日と9日にわたって指された対局は先手の藤井三冠が123手で勝利。十代初の四冠へ好発進を切った▼若くして活躍し今や時の人になった藤井三冠。躍進ぶりは棋界という枠を飛び越え多くの耳目を集める。一つの差し手を決めるのに数百通り以上を読むといわれるプロ棋士。どれだけ長い時間をかけても実際に打てるのは一つだけで、考える事に費やすエネルギーはすさまじいものなのだろう▼着実に頂点への歩みを続ける藤井三冠。天才ともてはやされる機会は多いだろうが、先日見たニュースのコメントが印象に残った▼初防衛した棋聖の就位式で目標を聞かれ、「自分としては結果は目標にすることはないかと。タイトル戦では貴重な経験を生かして成長できればと思います」と藤井三冠。おごらず、淡々と前に進むということか▼目の前の成果にとらわれ近視眼的に物事を捉えてしまう。日々の紙面で抜いた抜かれたと一喜一憂することも多いが、そうではない面もしっかり認識せねば。

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