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近畿整備局紀南河川国道/建設中のすさみ串本道路でDXの取り組みを公開  [2021年10月15日10面]

安藤ハザマ施工の江住第2トンネル

リアルタイム鉄筋出来形自動検測システム

 建設現場におけるインフラ分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する中、近畿地方整備局の紀南河川国道事務所は、和歌山県南部で建設中のすさみ串本道路の現場で、インフラDXの取り組みを報道関係者に公開した。
 すさみ串本道路は、一般国道42号の和歌山県串本町サンゴ台からすさみ町江住間を結ぶ延長19・2キロの自動車専用道路。東南海南海地震による津波高を回避できるよう計画されているため構造物が多く、約5・4キロがトンネルで、国道42号などからの工事用道路も18本に及ぶ。
 2025年春の開通を目指し、21年3月末の進捗(しんちょく)は約50%となっている。
 このうち、安藤ハザマが施工を担当している江住第2トンネルでは、トンネル内のカメラによる可視化などといったDXの取り組みを行っている。
 江住第2トンネルは工事延長793メートルのうち651メートルがトンネルでNATMにより掘削が進められている。360度カメラを設置した車両で坑内を走行しながら撮影することで、トンネル全線を360度可視化できる「トンネルリモートビュー」を採用。現場に行かずに現場の映像を見ながら是正指示できるほか、リモートによる本支店との安全パトロールも可能となる。
 施工管理業務をサポートするウェブサービス「Buildee」も導入。建設キャリアアップシステム(CCUS)とのデータ連係のほか、労務安全書類作成の効率化と作業員の入退場をリアルタイムで確認できるという。
 また、施工の効率化に向けては、吐出量の大容量化と吹き付け時のリバウンド率を低減できる高性能吹き付けコンクリートを使用するシステムを採用。安藤ハザマの折本重信所長は「従来と比較して時間当たりの施工量が2倍になった。DXの取り組みと合わせ、現場施工の効率化をさらに進めたい」と話す。
 和深川橋P3下部他工事を施工する尾花組の現場では、DXの取り組みとして日立ソリューションズが開発した「リアルタイム鉄筋出来形自動検測シムテム」を取り入れた。配筋の出来形確認を現地で直接計測して確認することなく、画像・映像解析などにより計測した結果を遠隔で確認できるシステムだ。二つの赤外線カメラでステレオ視することで、物体までの距離や形状を認識することができる。検尺ロッドや目印となるマーカーが不要で、写真撮影時も従来3人は必要だったが1人で行え、鉄筋上での作業が不要で安全性も向上する。検出結果はクラウドに送信され、帳票も作成できる。計測開始から帳票作成までの時間は従来の1時間から20分に短縮。同システムは試行段階で、22年度に測定方法の実施要領を策定し、23年度からの社会実装を目指している。
 このほか、串本IC東改良工事を担当している合同興業ではICT(情報通信技術)を駆使して施工の効率化を実現。自社保有しているICT建機を活用し、約8割の省人化を達成し、従来施工と比較して約6割の工期短縮に結び付けた。

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