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理研、オリエンタル白石/超小型の非破壊検査装置を開発/橋梁点検車に搭載可能  [2021年10月15日3面]

橋梁点検車を使った検査のイメージ(提供・理化学研究所)

装置は橋梁点検車に搭載可能な小型サイズ(福島ロボットテストフィールドで、提供・理化学研究所)

 理化学研究所(理研)とオリエンタル白石は14日、コンクリート構造物内の塩分量から劣化状況を診断できる超小型の非破壊検査装置「中性子塩分計 RANS-μ(ランズ-マイクロ)」を開発したと発表した。中性子線を照射した際に、中性子との反応後に発生するガンマ線を利用することでコンクリート内部の塩分を測定する。2022年度に実際の橋梁に試験適用し、22年度以降の実用化を目指す。
 装置は中性子を入射するカリフォルニウム-252線源、ガンマ線を検出するゲルマニウム半導体検出器などで構成する。重量が100キロ以下と小型で、バケット式・歩廊式の橋梁点検車に搭載して活用できる。
 検査では、コンクリート表面から深さ方向に中性子線を照射。コンクリート表面近くに設置したゲルマニウム半導体検出器を使ってコンクリート内部で発生したガンマ線を検出する。透過能力が高い中性子とガンマ線を利用することで、コンクリート表面から鉄筋が存在する深さ3~7センチまでの塩分を非破壊で検出できる。塩分量から鉄筋の腐食具合を判断し、橋梁などのコンクリート構造物の長寿命化対策につなげる。
 装置のサイズや重さを再現した模造機を橋梁点検車に搭載したところ、橋梁の桁下面まで到達可能な検査装置の実現が可能であることを確認した。
 2社は同日、オンライン会見を開いた。装置の開発に携わった理研光量子工学研究センター中性子ビーム技術開発チームの大竹淑恵チームリーダーは「橋梁点検のスタンダードとなる装置を目指したい」と語った。オリエンタル白石の大石龍太郎常務執行役員は「装置を下水道の劣化診断に活用することも可能」との考えを示した。
 コンクリート構造物は海水や凍結防止剤に含まれる塩化物イオンの浸透で鉄筋が腐食する塩害が深刻化している。そのため点検では鉄筋の腐食具合の検査が必要となる。従来の検査では構造物に穴を開けてコンクリートを採取するため、多数の箇所の測定が困難だった。

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